今回の記事ではAdrián Gastónさんによる、「2022 Trends: What’s next for digital and social media?」の翻訳記事となります。
2021年12月の記事になるため、記事中では2021年末として記載されている部分があります。すでに2022年に入ってしばらく経っておりますが、その点のみご容赦ください。
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https://medium.com/@goodrebels/2022-trends-whats-next-for-digital-and-social-media-68775cded649
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2021年の終わりまであと数週間、どのマーケティング部門も2022年に向けた戦略や注力ポイントについて考え始めていることでしょう。毎年実施しているように、これからの数ヶ月間、どのようなトレンドがデジタルメディアを特徴づけるかを振り返り、分析する時期がやってきました。
ソーシャルメディアコンテンツの傾向やマイルストーンだけでなく、2022年のデジタル環境に関連するあらゆる分野で押さえておくべき見どころにも注目したいところです。それでは、どうぞお楽しみください。
ソーシャルメディアプラットフォームのトレンド
まずは、デジタルマーケターにとって最もホットな話題の一つ、「2022年に主要なソーシャルメディアプラットフォームに期待すること」から始めましょう。
1. Facebook (a.k.a. Meta)
アルゴリズムからブロックチェーン、人工知能からデジタルトランスフォーメーションまで、デジタルマーケティング領域では毎年新しいトレンドトピックがありました。Facebook/Metaが大々的に宣伝したおかげで、2022年のトレンドトピックは”メタバース”になるでしょう。
しかし、(長期的な可能性を否定するわけではありませんが)Metaのメタバースはまだ現実にはほど遠く、大きな進展が見られるまでにはおそらく何年かかかるでしょう。
この状況において、私たちが知っているFacebookから何が期待できるでしょうか?
- より成熟したコミュニティ。
Facebookのユーザーの年齢層が他のプラットフォームに比べて高いことは、何ら不思議なことではありません。しかし、最近悪名高いFacebook Papersのリークにより、若いユーザーが驚くべき速さでこのプラットフォームから流出してことが確認されました。実際、この記事の執筆のため、記事を書いたGood RebelsのFacebookアカウントで集めたデータの一部を見てみると、60%以上のインタラクションが45歳以上のユーザーによってもたらされています。これは、大人をターゲットとするブランドにとっては実に興味深いことですが、Metaは、若いユーザーを惹きつけることを意図して、2022年中に新しい機能(米国ですでに提供されているReelsなど)の実装を試み続けるでしょう。 - Facebook Business Suite
2021年中に、多くのユーザーが新しいページ・マネージャーであるFacebook Business Suiteにアクセスできるようになりました。2022年には、ソーシャルメディアマーケターの日常をより簡単にする機能(プライベートメッセージマネージャーやFacebookとInstagramの分析など)を含む大規模な拡張が行われると予想されます。

2.TikTok
多くの人にとって、TikTokは2021年においてプラットフォームの中でスターと言える存在になりました。近年のその成長は加速度的に増加しており、世界的に見ればすでに月間アクティブユーザー数は10億人を超え、一部のメディアでは2022年にはInstagramを追い抜くと推定されています。
このことは、ブランドのソーシャルメディア戦略にとってどのような意味を持つのでしょうか。
- ブランドを増やす
TikTokはまだ広告や企業ページで飽和しているわけではありません。このプラットフォームで自分のポジショニングを見つけることに成功したブランドは、将来的に決定的な競争力を得ることができるでしょう。 - より大きな広告投資
Instagramほど広告のプレッシャーがないため、このプラットフォームのコストは競争力のある割合にとどまるでしょう。 - ブランドコンテンツへの新しいアプローチ
多くの企業にとって、UGC、employee-generated content (従業員が作成したコンテンツ)やインフルエンサーマーケティングがコンテンツ戦略の柱となるだろう。 - クリエイターへの支援
新機能については、当面はTikTokがコンテンツクリエイターのさらなる促進と後押しに力を入れるようです(2021年にTikTok Creator Portalで行ったのと同様)。企業アカウント向けの新機能は現時点では発表されていないようですが、TikTok Adsはキャンペーンの最適化機能だけでなく、新しい購入目的も開発されるようです。
3.Instagram
ここ数年にわたり、Instagramは優れたソーシャルネットワークであり続けています。そして、2022年の間にTikTokに対抗してユーザーを維持する目的で、新しい機能を実装するようです。2022年、このプラットフォームがフォーカスする領域は下記4点でしょう。
- クリエイターに力を
今後数ヶ月の間に、インスタグラムはオリジナルコンテンツのクリエイターへの新しい支払い方法を導入し、ブランドコンテンツ以外のプラットフォーム内での活動をマネタイズできるようにする予定です。報酬はコンテンツのバイラル性に基づいて、またはサブスクリプション(Just For FansやOnlyFansをマネしたもの)に応じて、さまざまな形で提供される可能性があります。実際、噂ではすでに「Exclusive Stories」や「SuperFollow」といった名称が提案されています。 - 全てはビデオで
Reelsの導入により、InstagramはTikTokに対抗しようと考え、プラットフォームの責任者であるAdam Mosseri氏が発表したように、このフォーマットを引き続き推進する予定です。実際、InstagramはIGTVの撤去と「ビデオ」セクションの統一により、すでにこのゴールに向けて動き始めています。 - 新しいショッピングオプション
Instagramが、ユーザーがプラットフォーム内で直接買い物をできるようにするために多大な努力を払っていることは新しいニュースではなく、Good Rebelsの「Close to Consumer Commerce」ホワイトペーパーでも述べています。これにより、ブランドにとってもっと直線的なカスタマージャーニーを実現するのに役立つと考えられます。「ストーリーズ内へのリンク埋め込み機能」の全ユーザーへの展開に続き、ライブショッピングなどの新機能を含め、統合されたカート機能が今後数カ月のうちに全世界で開始されるでしょう。 - メッセージング機能への注力
インスタグラムは、ユーザーがコンテンツを共有するためだけでなく、コミュニケーションをとるためにもプラットフォームを利用していることを認識しています。新しいコミュニケーション形態(電話やビデオ通話など)は、すでにベータ版の段階に入っています。

4.Twitter
このプラットフォームは、ニュース、ユーモア、エンターテイメントにフォーカスすることで、その領域で堅実かつ活発なユーザー層を見出しました。実際、Statistaによると、2020年1月から2021年の間に、1日の利用者数は14%増加しているそうです。Twitterは2022年、どのような新機能を実装するのでしょうか?
- サブスクリプション型サービス
オーストラリアとカナダでは、すでにTwitter Blueが提供されている。このサブスクリプションにより、クリエイターはプレミアム機能(ツイート編集など)を利用できるようになります。 - Twitter Spacesをパワーアップ
Twitterは2021年中に独自バージョンのClubhouseを立ち上げました。そのサービスのローンチはあまりうまくいっていないが、2022年も新機能を追加して、このプラットフォームを推進していくことが予想されます。
6.LinkedIn
新機能の実装に関しては、LinkedInは常に一歩遅れています。今年は、Creator Accelerator Programを通じて、TikTokやInstagramに見られるように、コンテンツクリエイターとの距離を縮めようとしました。予想通り、LinkedInのアプローチはよりプロフェッショナルにフォーカスしており、そのため以下のような点をテストしています。
- Clubhouseと同様のオーディオフォーマットの改善。
- 有料のイベントストリーミングサービス。
- クリエイターから離れる一方で、LinkedInは潜在的な求職者とのつながりを容易にする機能(ビデオミーティング、面接準備など)でリクルーターを支援していくことが予想されます。
6.他のプラットフォーム
その他のソーシャルエコシステムはどうでしょうか?ゲームの世界に関連するあらゆるものを注視していく必要があるのは確実です。TwitchやDiscordのようなプラットフォームが止めどなく成長し続ける中、先行しているブランドは非常に興味深い機会を幅広く見つけることができるでしょう。
コンテンツのトレンド
ソーシャルメディアに影響を与える主な発展を見てきましたが、コンテンツそのものについては、どのようなことが期待できるのでしょうか?
- サステナビリティ(持続可能性)
サステナビリティの重要性はもう何年も前から言われていることですが、今後もコミュニケーション戦略上、必ず必要な要素となります。 - メンタルヘルスが第一
パンデミックの影響により、不安やうつなどのメンタルヘルスの問題に対する意識を高めることの重要性にスポットライトが当たっています。ホワイトペーパー「バランスの時代:デジタル上の幸福のマネジメントにおける新しい習慣」でも指摘されているように、若い世代ほどこの点を意識しており、2022年のコンテンツに間違いなく影響を与えるでしょう。 - エンターテイメントとShitposting
Gen Zの影響により、より多くのソーシャルメディアコンテンツが、社会的状況からの逃避先であるかのように、ユーザーを単に楽しませることを目的とするようになる。この種のエンターテインメントには、「低クオリティで皮肉に満ち、攻撃的な」投稿である「Shitposting」という名前がついているからだ。WendysのTwitterアカウントはこの点での転換点となり、今では多くのブランド(特に若いオーディエンスをターゲットにしているブランド)が異なる市場で同じ戦略をとるようになりました。 - ホームメイド感(自作コンテンツ)の良さ
上記に関連し、Instagram Stories、Reels、TikTokのブームと同様に、モバイルデバイスで直接録画され、ポストプロダクションがほとんどない「ホームメイド」コンテンツは、ブランドの編集においてますます重みを増していくでしょう。理由は簡単で、ブランドをより人間らしくし、ユーザーをそのブランドの背後にいる人々に近づけることで、より本物のコンテンツとして認識されるからです。 - オーディオとポッドキャスト
Insider Intelligenceによると、ポッドキャストのユーザーは、2023年まで止まることなく増え続け、米国ではデジタルオーディオの25%がこのフォーマットで配信されていると推定されています。Clubhouseの登場や他のプラットフォームによるオーディオフォーマットの採用は、オーディオが提供する無限の可能性を明確に示しています。
ソーシャル広告のトレンド
2020年に戻ってみると、デジタルチャネルへの広告投資が従来メディアへの投資を上回ったが、これはパンデミック開始以降、デジタルチャネルをますます取り入れるようになった中小企業による影響です。
しかし、このように広告へのプレッシャーが高まった結果、どのようなことが起こるのでしょうか?
- コストの上昇
Statistaによると、ソーシャルキャンペーンのCPMは2020年第2四半期から2021年同四半期の間に40%増加しました。一過性とは程遠く、コストは今後数ヶ月間増加し続ける可能性が高いです。 - ROIを重視する傾向が強まる
このコスト増は、企業がキャンペーンの最大限と最適化を求めるようになり、その結果と認識さレているROIにおいて、より厳しくなることにつながるでしょう。 - 新しいプラットフォーム
広告主は、非常に競争力のあるコストと類似のオーディエンスを持つ新しいプラットフォーム(TikTok、Twitch…)にさらに投資することが予想されます。

インフルエンサーマーケティングのトレンド
ここ数年、インフルエンサーマーケティングはマーケティング予算の中で大きな割合を占めるようになりました(Statistaによると、世界規模でみて10~20%)。もちろん、投資が増えるということは、2022年にはインフルエンサーとの付き合い方も変わってくるということを意味します。
- より高い水準とパフォーマンス測定
今日に至るまで、ブランドにとってストッパーとなっている基本的な側面。 - ブランドと長期的な関係を築く
ブランドとインフルエンサーのコミュニティの間に重要な関係構築のため。 - ソーシャルセールスやライブショッピングが増加傾向
このことによって、Instagramやそのほかのプラットフォームが、アプリ内購入やライブショッピングを促進しようとしている理由が説明できるでしょう。このトレンドは、アジア諸国ではすでに定着しており、2022年には欧米のマーケティング戦略に旋風を巻き起こすと思われます。 - インフルエンサーと常時連携する
インフルエンサーを特定の瞬間や単体のキャンペーンで使うのではなく、ブランドは継続的な戦略で常にユーザーにインパクトを与える「常時接続型」のアプローチにシフトしています。

クリエイティビティのトレンド
自作コンテンツやshitpostingコンテンツが編集の戦略に影響を与えることは既に述べたとおりですが、2022年のデジタルとビジュアルデザインという観点から、その流れを決定付けるクリエイティブな側面について詳しく見ていきましょう。
- それは、「動き」です
Robot Foodのクリエイティブディレクター、Martin Widdowfield氏によると、もはや静的なものは、それほどユーザーにアピールしないそうです。デジタルビルボードの拡大やデジタルメディアへの投資の増加により、ほとんどすべてのブランドコミュニケーションにおいて、「動き」がより多く使用されるようになっています。 - 不規則は美しい
幾何学的な形や直線は過去のものです。今、若いオーディエンスを惹きつけるためには、「創造的なカオス」を見つけることが重要なのです。 - 90年代と00年代万歳!
今年すでに形になっているトレンドで、2022年になってもまだトレンドが強い状況が続いています。90年代が復活し、00年代に触発されたY2Kのトレンドに徐々に道を譲ることになるでしょう。 - ファッションに飛び込む
多くのブランドにとって、ファッションは消費者の日常生活の中に存在するための手段となっています。2022年には、マーケティング促進のため、ビジュアルデザインをファッションコレクションやストリートウェアに持ち込むクリエイティブキャンペーンが期待されます。
何から始めたら良いのでしょうか?
これまで見てきたように、デジタル環境は常に革新と変化を続けており、すべてのトレンドを取り入れようとすると、圧倒されてしまう可能性があります。もし、あなたのブランドを最新の状態に保ちたいのであれば、以下の点に優先順位をつけることをお勧めします。
- TikTokは卓越したソーシャルネットワークになる。
- ホームメイドコンテンツが編集計画のキーになる。
- 従来のプラットフォームは、ブランドよりもコンテンツクリエイターに最も力を注ぐことになる。
- 広告へのプレッシャーの高まりはコスト増につながり、ブランドはより低コストでソーシャルキャンペーンを行える新しい広告プラットフォームを探すことになる。
- クリエイティビティは90年代と00年代を参考にする。大胆であればあるほど良い。ミニマリズムから脱却し、新しい表現方法を模索する時期が来ている。
そして、あなたは、デジタルチャネルの未来をどのように描いていますか?
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本日の記事は以上です。
2022年の予測記事を出している方は結構たくさんいらっしゃいますが、今回はソーシャルメディアに絞った記事でした。
やはり色々なメディアの記事でもあるように、Web3、メタバースなどがバズワードになっていますが、そのようなテクノロジーや全体の大きな流れとしての予測記事も面白いですが、既存のプラットフォームが2022年や今後どのような動向をもう少し細かい視点から考察できるのは非常に面白いな、と思いました。
そんなところで今日は終わりにしたいと思います。
それではまた明日!
Source:https://medium.com/@goodrebels/2022-trends-whats-next-for-digital-and-social-media-68775cded649
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