Tren Griffin氏による「12 Things About Product-Market Fit」の翻訳記事となります。
Trenさんは、主にソフトウェアやモバイル通信など、ビジネスとテクノロジーが融合する分野に携わってきた専門家です。現在、Microsoftに勤務。以前は、プライベート・エクイティ企業Eagle River(クレイグ・マッコーが設立)のパートナーで、それ以前は、アジアでコンサルタントをしていました。Griffin氏の最新作「Charlie Munger」は経済学、ビジネス、心理学、倫理学、経営学を含む学際的な「メンタルモデル」を駆使して、投資対象から感情を排除し、誤った判断による落とし穴を回避する方法説明した書籍を執筆されています。
今回の記事では、Product/market Fitのコンセプト、そしてVCにおいてプロダクトマーケットフィットが重要視されている理由について12の視点から解説した記事となります。
オリジナル記事はこちらから⏬
https://future.a16z.com/about-product-market-fit/
PMF(Product/market Fit)のコンセプトは、Andy Rachleff氏が開発し、命名したものである。ラクレフ氏のPMFのアイデアの核心は、ベンチャーキャピタリストの先駆者でありSequoia創業者のDon Valentineの投資スタイルについての分析に基づいています。
なぜマーケットが何よりも大事なのか?
1 「巨大な市場を与えよ、常に」
Arthur Rock氏は、「偉大な起業家を見つけて支援する」ことの代表格です。私の立場は、「素晴らしい市場を見つけて、その市場で複数の会社を作る」というものです。私たちの考え方は、できればいつも、「技術的な問題を与え、その技術的な問題が解決されたときに大きな市場を与え、よりたくさんのものを売ること」です。優秀な人材と一緒にやりたいか?もちろんその通り。そうでない企業には投資したくない?それもその通り。スティーブ・ジョブズが18歳か19歳くらいのときにアップルに投資したのですが、彼はハーバード・ビジネス・スクールに行かなかっただけでなく、どの学校にも行かなかったのです」- Don Valentine
ベンチャーキャピタルへの投資や価値あるビジネスの創造は、「人」「市場」「製品」という3本の脚からなるスツールを作る努力と捉えることができるでしょう。しかし、ベンチャーキャピタリストや起業家は、その時々で、この3つの脚をそれぞれ強調し、重要視している。Valentine氏は、もちろんまともな人材は必要だが、「市場が第一、それは変えられないが、人材は変えられるから」(Valentineが投資スタイルを確立したのと同時期にベンチャーキャピタル業界のパイオニアであったPitch Johnsonによる)と考えていました。
人を変えた例として有名なのは、Ciscoの取締役会が、創業者である当時の夫妻のチームを交代させたことである。また、人を入れ替えるのではなく、新しい能力を供給するために新しいメンバーを迎え入れる場合もある。エリック・シュミット氏がグーグルに採用されたのは、その有名な例だと言えます。
プロダクト・マーケット・フィットとは何か?
2 「価値仮説とは、なぜ顧客がその製品を使いそうなのか、その根底にある重要な仮定を明確にする試みである。説得力のある価値仮説を特定することを、私はプロダクト・マーケットフィットを見つけると呼んでいる。価値仮説は、構築する必要のある機能、関心を持つ可能性のある顧客層、そして顧客に製品を購入してもらうために必要なビジネスモデルを特定するものである。このようなプロダクトマーケットフィットを見つけるまでに、企業は多くの場合、何度も反復を繰り返すことになります。」
「優れたチームが最低の市場に出会ったとき、市場が勝つ。最低のチームが素晴らしい市場に出会ったら、市場が勝つ。偉大なチームが偉大な市場に出会ったとき、何か特別なことが起こるのです。もし、あなたの製品を本当に欲しがっている市場にでビジネスをすることができれば、例え、犬にドックフードを売るように…会社のほとんどすべてを台無しにしても、成功することができるでしょう。逆に、実行力が本当にあっても、犬がドッグフードを食べたがらないのであれば、勝つチャンスはないのです。」 Andy Rachleff
Rachleff氏が言っている重要なポイントを言い換えると、「優れた市場ほどかけがえのないものはない」ということになる。これは、優れたチームが優れた市場を実現するための促進剤にならない、という意味ではありません。(上のGary Larson の漫画は、この考えをよく表しています)。
また、PMFが必要であるという考えを否定しているわけでもありません。Pitch Johnson氏やArthur Rock氏のように、起業家の質を第一に考えるベンチャーキャピタリストは他にもいるのです。しかし、それは強調すべき点とタイミングの問題です。Rachleff氏は、最も成功したスタートアップ企業を見ると、実は「ごく初期に世界最高の経営陣を持っていたわけではない」と推察しています。彼らは、消費者が解決策を切望している痛みを対処するアイデアを、たまたま思いついたか、より可能性の高い転換を行ったのです」
プロダクト・マーケット・フィットのプロセス
#3「プロダクトマーケットフィットには、よくつまずくものです。セレンディピティ(※)はプロダクト・マーケットフィットを見つける役割を果たしますが、セレンディピティにたどり着くまでのプロセスは驚くほど一貫しているのです。私たちはその一貫したプロセスを教えているのです。」Andy Rachleff
(※)セレンディピティ…思わぬものを偶然に発見する才能(Weblioより)
セレンディピティがここで役割を果たすとしても、プロセスというものがあります。だからこそ、Rachleff氏は後にスタンフォード大学で「Aligning Startups with their Markets」というコースを作り、教えているのです。Steve Blank氏も、科学者が行うように、スタートアップ企業も科学的な方法を適用すべきだという考えに基づいて、カスタマーディベロップメントプロセスを開発しました。仮説から始まり、それをテストし、証明し、次に進み、さらに仮説を反復するのです。同様に、Rachleff氏は、「まず、価値仮説を定義し、検証する必要がある」と述べています。そして、それが証明されたときに初めて、成長仮説に移行するのです。価値仮説は、「What」「Who」「How」を定義するものです。何を作るのか、誰がそれを切望しているのか、それを提供するためにどのようなビジネスモデルを使うのか。したがって、スタートアップは、製品を見つけるために市場から始めるのではなく、製品から始めて、市場を見つけようとすべきなのです。ここで強調したいのは、反復は製品そのものよりも、市場やビジネスモデルに関するものであるということです。
最後に、Reid Hoffman氏が述べているように、”プロダクト・マーケット・フィットは、最も早い段階で伝えるべきことを把握することが必要です”。PMFフィットを見つけるプロセスは科学というよりむしろアートな領域なので、ポーカーに例えるのは適切だといえるでしょう。PMFは、起業家が行った実験から生まれます。 構築-測定-学習の繰り返しにより、PMFは1回で見るけることができるのではなく、プロセスの中で発見され、開発されます。しかし、「あ、これだ!」とひらめく瞬間はあるものです。しかし、PMFはそのような方法で作られるものではありません。
プロダクト・マーケット・フィットかそうでないかをどのようにして伝えるのか?
#4「プロダクトマーケットフィットがうまくいっていないときは、いつも感じられるものだ。顧客が製品から価値を得られていない、口コミで広がっていない、使用率がそれほど伸びていない、プレスレビューがなんとなく冴えない、販売サイクルが長すぎる、多くの案件が成立しない。このような場合、プロダクトマーケットフィットを常に実感することができます。あなたが作るのと同じくらいのスピードで、顧客が製品を買っている。たとえばサーバーを増設するのと同じ速さで、利用者が増えているように。顧客から得たお金が、あなたの会社の当座預金口座にどんどん入ってくる。営業やカスタマーサポートのスタッフを急募している。あなたの会社の新しい話題について聞いた記者が、そのことについて話を聞きたいと電話をかけてきます。ハーバード・ビジネス・スクールから「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し始める。投資銀行家たちが、あなたの家を張り込んでいる。Buck’sで1年間タダ飯を食えるようになった。Marc Andreessen
アンドリーセン氏によると、”プロダクトマーケットフィットとは、良い市場で、その市場を満足させることができる製品であること “だそうです。しかし、あまりにも多くの場合、この文章の後半部分(市場を満足させることができる製品)に焦点が当てられており、前者(良い市場にあること)には焦点が当てられていないのです。アンドリーセン氏は、市場が最も重要であることを強調しています。
「素晴らしい市場を台無しにできるのは明らかだ。そしてそれは、これまでにも頻繁に行われてきました。しかし、チームが基本的に有能で、製品が基本的に受け入れられると仮定すれば、素晴らしい市場は成功に等しく、貧しい市場は失敗に等しい傾向がある。” だから、製品だけでビジネスを構築することに時間を費やしても無意味なのです。”最高の場合、それはゾンビになるでしょう。.ひどい市場では、世界最高の製品と最高のチームを持っていても、関係ありません。その素晴らしい製品のために、存在しない顧客を見つけようと何年も選択を誤ることになり、素晴らしいチームも結局は意気消沈して辞めてしまい、あなたのスタートアップは死んでしまうのです”。逆もまた真です。もし、市場が素晴らしく、あなたが最高の製品であれば、成功は突然に、そして素早く訪れるでしょう。その成功は、その製品が修正されない限りは続きませんが、少なくともそのビジネスには素晴らしいものの始まりがあるのです。
#5 プロダクト・マーケット・フィットという言葉は、「スタートアップがついに、その製品に共鳴する顧客群を広く見出した瞬間」を表現している。Eric Ries
Andreessen氏の定義にある「市場を満足させる」という部分は、必然的にPMFの概念が定性的になり始めるところである。PMFを定量化するために様々な数学的テストが考案されましたが、根本的に同じものに対する”I know it when I see it.”(見ればわかる)というスチュワート判事の有名なポルノの定義のようなものです。PMFが存在するかどうか判断するために最善のテストがあったとしても、PMFの作成が数式に還元されるわけではありません。
では、PMFを判断するためのテストにはどのようなものがあるのでしょうか?Rachleff氏は、「マーケティングをしなくても、製品が指数関数的に成長すれば、適合していることがわかる。そのような成長は、多くの口コミがある場合のみ実現することができます。口コミは、顧客を喜ばせて初めて可能になるのです」と書いています。また、Rachleff氏は、起業家が、Ries氏の言う「バニティメトリクス」(紙の上ではよく見えるが、実際には重要な意味を持たない数字や統計)の中で、PMFと成長を混同してしまうことがあまりにも多いことも紹介している。では、何が重要なのでしょうか?Rachleff氏は、Net Promoter Score(NPS)を、自社の製品やサービスに対する顧客の愛情の大きさを予測するための優れたツールとして提案しています。理想的には、40点以上であれば、「正しい方向に進んでいることが分かる」という。しかし、NPSは適合する可能性を示すかなり良い代用品ではありますが、「購入という形で市場のフィードバックを得るほど正確ではありません」。結局のところ、人々は自分のお金で投票するのです。
#6 “私が見てきたスタートアップの一番の問題は、プロダクトとマーケットが適合していると思っていても、実際には適合していないことだ。” Alex Schultz
多くの創業者は、自分たちが開発したものは現代の魔法の豆に相当し、人々はそれを牛の代金として受け取ってくれると信じているようです。成長に関するTrenさんの投稿では、提供するものが中核的な製品価値を持つことの必要性について述べています。Chamath Palihapitiya氏は、価値仮説はコアプロダクトバリュー、つまり「市場が製品について望んでいること」・・・によって推進されると考えているが、それは “捉えどころがなく、ほとんどの製品にない” と述べている。そして、実際、Rachleff氏は、ここにテクノロジーの変曲点が役割を果たすことができると見ている。「真に偉大なテクノロジー企業は、そののターニングポイントによって、創業者が新しい種類の製品を構想することができるようになった結果なのです。そして、問題は、誰が私の製品を買いたいのか、ということです。Marc Andreessen氏は、”素晴らしい市場、つまり本当の潜在顧客がたくさんいる市場では、市場がスタートアップから製品を引き出してくれる “と書いています。理想的には、製品開発プロセスの最も初期段階で、市場からの牽引が有機的に(つまり、広告費をかけずに)起こるのです。
プロダクト・マーケット・フィットに関するよくある誤解
#7「最初の市場でいきなり勝つことはほとんどない。むしろ、製品と市場を適合させることが長期的な勝者となることがほとんどである。」「何度も何度も、勝者は犬が食べたいと思う餌を最初に提供した会社である。」「一度、プロダクト・マーケット・フィットを達成した企業に対して、より良い製品やより安価な製品をもってしても、最初の企業を取り除くことは極めて困難である。」 Andy Rachleff
Rachleff氏は、Intuit、Apple、Googleなどの例を挙げ、ここでは必ずしも先行者であることが有利であるとは言えないことを述べている。Facebookも最初のソーシャルネットワークではありません。プロダクト・マーケット・フィットを見つけることは、Mike Maples Jrが表現したように、「プロダクトとマーケットの間に『ダンス』を作り出す」ようなプロセスなのです。また、製品の最もパワフルで説得力のある側面を取り上げ、それを「WTF」レベルの機能という形で提供することも必要です。それは、単に説得力があるだけでなく、何が可能かという人々の視点を変えるレベルにまで達し、顧客に強烈な喜びを与えるものです。そのレベルに到達するために、目標はプロダクト・マーケット・フィットだけでなく、「プロダクト・マーケット・スケール」であると、Casey Winters氏は考えています。前回の成長に関する記事で説明したように、Facebookは成長を生み出すための優れたアプローチを持っており、ネットワーク効果を持つビジネスにおいて、顧客を獲得し視点を変えるだけでなく、競合他社を排除しているのです。
#8「プロダクト・マーケット・フィットの神話」。神話その1:PMFは常に個別であり、ビッグバンのようなイベントである、神話その2:PMFがあれば、それは明白である、神話その3:PMFを達成したら、それを失うことはない、神話その4:PMFがあれば、競合を心配する必要はない、など。” Ben Horowitz
プロダクト・マーケット・フィットが高く、製品と市場の規模が大きければ、競合に勝てるというわけではありません。市場や、その市場における競合他社の行動(外部の人間には必ずしも見えない)は、常に変化している。そのため、PMFを維持するためには、絶え間ない適応が必要となります。Steve Blank 氏は、「重要なのは、前進する勢いと、誤った判断を素早く認識し、それを覆すのに役立つ、事実に基づくデータ/メトリクスの厳格なフィードバックループを持つことだ」と述べている。
多くの人が犯す間違いの一つは、フィードバックループ図に書かれているプロセスは、自分には当てはまらないと考えることです。プロセスが円形で描かれているのは、それが反復的かつ継続的であるためです。社内で100回ホワイトボードを使った商品企画セッションを行ったとしても、最初から完璧なPMFを持つ商品ができる可能性は極めて低いのです。
#9「製品を正しく使うとは、プロダクト・マーケット・フィットを見つけることです。それは、製品を発売することではありません。市場があなたの製品を受け入れ、もっと欲しいと思うところまで到達することを意味する。” Fred Wilson
スタートアップの最も一般的な死因の1つは、Steve Blank氏が最初に使った言葉である「早すぎるスケーリング」です。PMFを発見し、開発する前に、成長のために多額の資金を費やしている場合、そのビジネスは「時期尚早のスケーリング」であると言えます。Steve Blank氏は、時期尚早のスケーリングが起こりうる重要な理由の1つをこう述べている。「皮肉なことに、最大のリスクの1つは……誠実なカスタマー・ディベロップメント・プロセスを破壊するような予測をすることへの高いプレッシャーです。誘惑は、カスタマー・ディベロップメントが始まる前に、大きな市場のビジョンを確かな企業収益の予測に変えてしまうことです。Startup Genomeが行った調査では、次のような結論が出ています。
「新興企業が市場を検証するためには、ほとんどの創業者が予想しているよりも2-3倍の時間が必要である。この過小評価は、早すぎるスケーリングのプレッシャーを生み出します。私たちのデータセットでは、70%のスタートアップが何らかの次元で早すぎるスケーリングを行っていることがわかりました。この数字は高いと思われたが、これはスタートアップの90%に上る失敗率を説明するのに大いに役立つでしょう。」
この研究の著者によって引用されたある起業家はこう言っています。
「早すぎるスケーリングは、ことわざのように馬より先にカートを置くことです…。
起業家であれば、収益が上がる兆しが見えれば、営業チームを増強したいという誘惑が常にあるものです。しかし、この初期の牽引力は、実際の市場そのものではなく、アーリーアダプターと呼ばれる市場の一部からもたらされるという危険性が常に存在します。さらに、スタートアップ企業が収益性を達成するための最も効率的な方法を見出す前に、売上を伸ばしてしまうケースがあまりにも多く見受けられます。企業が成長すればするほど、収益性から遠ざかるという悪循環に陥ってしまうのです”。
Viddyは、早すぎるスケーリングで死んでしまった会社の例としてよく挙げられます。Viddyは一時期、Facebook OpenGraphを利用して、PMFを導入する前にユーザーベースを数百万人にまで拡大させることができました。この失敗により、同社はわずかな金額で売却され、チェシャ猫のように消え去ってしまったのです。早すぎるスケーリングに苦しんだ他のビジネスには、Friendster、Orkut、Diggなどが含まれます。Grouponは、早すぎるスケーリングに苦しみましたが、今のところ、ピボットして自らを救うことができました。
ところで、誰もがこのPremature Scalingの用語を使っているわけではありません。例えば、CB Insightsが発表したスタートアップが失敗する理由のリストを見ると、早期スケーリングはリストにすら載っておらず、おそらく他のカテゴリに埋もれています。

余談ですが、”Pivot Gone Bad” は、ある創業者が書いた人気のカントリーウェスタンの歌だ。”My Co-founder Left with my Husband and I’m sure going to Miss Her.” と書かれている
[訳注: 共同創業者が夫と一緒に出て行ってしまい、彼女が恋しくなる]
どのようにしてたどり着くのか?
10 「製品の初期には、強固にすることに集中してはいけない。まずプロダクト・マーケット・フィットを見つけ、それから固める」 Jeff Lawson
繰り返しになりますが、このプロセスは発見ベースで、実験することが必要です。顧客が買いたくないものを製品化しても、何の価値もありません。Andreessen氏いわく、「製品は、偉大である必要はなく、基本的に機能すればよい。そして、市場は、そのチームが実行可能な製品を生み出すことができる限り、そのチームの優秀さを気にしない」と語ります。ビジネスのほぼ全員が、需要を生み出すための新しい機能を夢見るために「座っている」のではなく、製品の需要を満たそうと集中しているなら、ほぼ間違いなくPMFが存在します–しかし、その逆はあり得ないのです。
PMFは魔法の万能薬ではありません。PMFは、成功に必要だが十分ではない、重要なマイルストーンを意味します。PMFを獲得した後も、持続的な成長モデルを見つけ、競合他社に対する堀を築くなど、さまざまな努力をしなければならない。PMFは、企業が失敗する運命にある方法で(多くの場合、無意味に)事業を成長させようとお金を使うことを防ぐのに役立ちます。
11 「一般的に、プロダクト・マーケット・フィットを得る前に採用を行うと遅くなり、プロダクト・マーケット・フィットを得た後に採用を行うと速くなる。プロダクト・マーケット・フィットを得るまでは、a) できるだけ長く生き、b) できるだけ早くたくさん繰り返すべき。」” Sam Altman
Altman 氏が言っていることは、共同設立者のJessica Livingston氏がY Combinatorのモットーと呼ぶ「人々が欲しがるものを作れ。何かを作っても、誰も使ってくれなければ、死んでしまいます。人々があなたの製品を好きでないなら、あなたがする他のことは何も重要ではない」に反映されています。
Andreessen 氏は、どんなスタートアップの人生も、プロダクト・マーケット・フィット前(BPMF)と、プロダクト・マーケット・フィット後(APMF)の2つに分けられると主張しています。
「BPMFのときは、プロダクト・マーケット・フィットに到達することに執念を燃やすべきです。プロダクト・マーケット・フィットに到達するために必要なことは何でもする。人を変えること、製品を書き直すこと、別の市場に進出すること、顧客に断りを入れること、顧客にイエスと言うこと、希薄性の高いベンチャーキャピタルから4回目の資金調達をすることなど、必要なことは何でもやることだ。突き詰めれば、他のことはほとんど無視できるのです。他のことをすべて無視しろと言っているのではありません。ただ、Andreessen 氏が成功したスタートアップを見てきた限りでは、それが可能だということです。」
12 “創業者は、プロダクト・マーケット・フィットに到達するかどうかを考えるずっと前に、市場を選択しなければならない。” Chris Dixon
ベンチャーキャピタリストの中には、投資前にPMFを確認したいと考え、PMF以前の投資はエンジェルに任せるという人もいます。彼らは、創業者がそれを見つけるかどうかを予測しようとするよりも、PMFのある事業を買いたいと考えています。ベンチャーキャピタリストは、創業者に力仕事をさせることが重要である(「犬を雇って、吠えようとするようなベンチャーキャピタリストはいらない」)というのは、いつものことだ。Dixon 氏が重要視しているのは、創業者は、自分たちが何をしようとしているのか、なぜしようとしているのかを注意深く考えることで、これをコントロールすることができるということです。また、ファウンダーとマーケットの適合性でもあります。
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この記事は、著者(25iq.comでブログを書いているも)の許可を得てFutureにて配信されたものです。
著者について Tren Griffin氏は、主にソフトウェアやモバイル通信など、ビジネスとテクノロジーが融合する分野に携わってきた専門家です。現在、Microsoftに勤務。以前は、プライベート・エクイティ企業Eagle River(クレイグ・マッコーが設立)のパートナーで、それ以前は、アジアでコンサルタントをしていました。Griffin氏の最新作「Charlie Munger」は経済学、ビジネス、心理学、倫理学、経営学を含む学際的な「メンタルモデル」を駆使して、投資対象から感情を排除し、誤った判断による落とし穴を回避する方法について書かれています。
参考文献
http://digitalassets.lib.berkeley.edu/roho/ucb/text/valentine_donald.pdf



https://www.cbinsights.com/research-reports/The-20-Reasons-Startups-Fail.pdf


Casey Winters of Pinterest: https://www.youtube.com/watch?v=bpnYFG1-rdk
Andy Rachleff: https://www.youtube.com/watch?v=7G9Cb6sCjL8
Mike Maples: https://www.youtube.com/watch?v=zfOsP3PmI1U
Marc Andreessen: https://www.youtube.com/watch?v=zfOsP3PmI1U
Sachin Rekhi: https://youtu.be/huTSPanUlQM
Don Valentine: https://www.youtube.com/watch?v=nKN-abRJMEwPosted February 18, 2017
本日の記事は以上となります。
スタートアップにおいて、製品とマーケットが適合することの重要性はこの記事からよくお分かりいただける内容かと思いますが、それをどの段階を以って判断するか、という点は非常に難しい判断であると感じました。(そこを判断するのが起業家・VCの腕の見せ所、というところかもしれませんが…笑)
特にこの記事においても何度も言及されていますが、とにかく成功するまで繰り返し実験すること、結局起業することも「あきらめなければ負けない」というような体育会的な感覚になるのかなぁ、、、なんて思います。
そんなところで本日の記事は終わりにしたいと思います。
また明日!
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