本日の記事は現在のY Combinatorの社長であるGeoff Ralstonさんが2015年2月にポストした記事となります。
スタートアップの創業者にとって、初期の人数が限られていてナレッジも無い中で「何に時間を費やすべきか」という問いは今後の会社の生死を決めるほどの決断と言っても過言ではないでしょう。しかし、その判断基準は意外にも曖昧で、多くのスタートアップがその決断を誤っていきます。
そのような状況に対して、Geoffさんは判断材料として(b * d) / cという公式を導き出しました。それでは詳しくご説明していきます。
オリジナル記事はこちらから⏬
https://blog.geoffralston.com/startup-priorities
創業者にとって最も難しい仕事のひとつが、「何をすべきか」を決めることです。創業間もない会社で、わずかな人数の社員がどこに時間を割けばいいのか。 賢明な選択をすることで、あなたの会社は成功への道を歩むことができます。間違ったことに時間を費やすと、スタートアップは早死にすることになります。 自分の会社が死なないようにするために、正しい決断をしているかどうか、どうすればわかるのでしょうか?
通常、「どのように時間を使うべきか」といった創業者の質問に対する私の答えは、驚くほどシンプルです。追跡すべき重要な指標を選び、その指標を成長させることに専念することです。何をすべきかを決める際には、選んだ指標の成長を直接的にもたらすと思われる活動を選びましょう。
これは単純なことで、時に啓発的でもあります。 とはいえ、こうした決断を下すのは、やはり決して簡単なことではありません。それが、スタートアップが難しい理由の一つです。 どの指標に重点を置くかの選択でさえ、しばしば大きな議論の対象となります。 どのように増やせばいいか、かなり確信の持てる指標を選ぶのが一番です。 しかし、その指標が重要であることも同様に重要です。「重要」というのは、その指標が成長することで、例えば投資家があなたの会社の状態を客観的に判断する材料になるという意味です。
また、特殊なケースとして、何を作るかを決めようとしている場合があります。通常は、何人のユーザーがいて、彼らがどれだけ製品に関与しているかという指標に関心があるはずです。分かりやすくするために、前者をb(broads)、後者をd(depth)と呼ぶことにします。このことは、製品決定の優先順位を考える上で、初歩的ではあるが驚くほど役立つ方法へとつながります。 cを機能構築のコスト(単位はエンジニアの日数、完成までの時間などお好きなように)とすると、次の式で簡単なランキングを作成することができます。
(b * d) / c
bは、ある新機能によって影響を受けるユーザーの数(既存または新規)、dは、その機能が平均的なユーザーにとってどれだけ重要か、cは、その機能を構築するのがどれだけ難しいか、を示しています。 この単純な公式を適用すると、「まず、多くのユーザーにできるだけ大きな影響を与え、迅速かつ安価に構築できる機能を構築する」という、当たり前の結論に行き着く傾向があるのです。 自明なことがいかに深く隠されているか、そしてそれを顕在化させることがいかに重要であるかは、驚くべきことです。
当然ながら、上記の各変数を正確に見積もることは難しいか、不可能な場合があります。しかし、誰がそんなことを気にするでしょうか。これはスタートアップ企業であり、ほとんどの決断はあなたの直感で行われるでしょう。 最善の推測をし、疑問があれば顧客と話すことです。
製品の幅と深さについて、もう少し説明することがあります。会社の初期には、プロダクト・マーケット・フィットを確実にするために、dをより優先させることが重要です。自社製品を本当に愛してくれるユーザーを100人見つける前に、成長・拡大しようとしても無駄です。 その時初めて、bに焦点を当て、ユーザーベースを拡大し、深化させるべき場所を決定するために必要なデータを(顧客から)得ることができるのです。
これは、単純な計算式が優れた常識や製品センスに取って代われるということではありません。スティーブ・ジョブズのようになれるわけではありません。しかし、さまざまな可能性がある中で、整理された方法で考えることを助け、「次は一体何をすればいいのか!」という熱い議論を解決するのに役立つことができるでしょう。
本日の記事は以上となります。
最近は15年〜10年ほど前の記事を取り上げることが多いですが、SNSの活用などの手段はその当時から大きく変わっているケースもありますが、本質としての成長戦略は変わらず適用できるというところを見ると、こうやって色々な記事を読んでいるのは面白いなぁと感じます。
もう少しでY Combinatorのまとめ記事からの参考文献派生記事として翻訳していたストックが終わってしまいそうなので、新しい記事でも見つけにいきたいと思います!
そんな感じで今日のところは終わりにしたいと思います。
それではまた明日〜!
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