今回の記事はMichael Seibel氏による「The Real Product Market Fit」の翻訳記事となります。
プロダクトマーケットフィットには、基準があるようで意外と曖昧な概念でもあります。その曖昧さによって実際にスタートアップの創業者が判断に誤るケースは多々あります。本当のプロダクト・マーケット・フィットはどのような状態なのか、どうやったら到達できるのか、ご紹介していきます。
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私はよく、プロダクト・マーケット・フィットを見つけたと信じている創業者と話しますが、実際はそうではありません。これは大きな問題で、実際に構築すべきものを発見する前に、人を雇い始め、生産量を増やし、製品を最適化することになるからです。
私は、あなたが本当にプロダクト・マーケットフィットを見つけたときを理解するのを助けるために、この記事を書いているのです。
手始めに、Marc Andreessen氏の「On product/market fit for startups」を読んでみてください。これは、起業家である私にとって最も影響力のある記事であり、私が初めてこの言葉を読んだものでもあります。
Andreessen氏は、プロダクト・マーケット・フィットを次のように定義しています。
顧客は、あなたが製品を作るのと同じ速さで製品を買っています。あるいは、あなたがサーバーを追加できるのと同じ速さで利用が拡大しています。顧客から得たお金は、あなたの会社の当座預金口座にたまっていきます。それに伴い営業やカスタマーサポートのスタッフをどんどん雇っているでしょう。
別の言い方をすれば、使用量に圧倒されたとき、あなたはプロダクト・マーケット・フィットに達したと言えます。製品に大きな変更を加えることもできないほど、製品を稼働させるだけで手一杯になっている状態です。
創業者はしばしば、従業員数や大規模な資金調達によって、プロダクト・マーケット・フィットに到達したことを示そうとします。私が注目するのは、幸せで忠実な、そして理想的にはお金を払ってくれる顧客の数が増え続けていることに対処しようと必死になっている創業者チームです。それまでは、無駄を省き、無駄な消費を抑え、陸軍大隊ではなく、海軍特殊部隊のようでありたいものです。
(ちょっとここの軍隊に関しての例えは日本人の私にとってはなかなか理解できない部分がありましたので、そのまま直訳しておきます…)
プロダクト・マーケット・フィットの発見=まず市場に注目すること
創業者は往々にして、解決策を強く持ちすぎ、問題を緩く持ちすぎる傾向にあるのです。問題、すなわち市場こそが真のチャンスなのです。その問題を解決する方法についてのあなたのユニークで特別なバージョン1のアイデアは、たいてい間違っており、ローンチし、顧客と話し、反復することによってのみ、プロダクト・マーケット・フィットに達する製品を実際に見つけることができるのです。創業者の天才性は、解決すべき正しい問題を選択することに最もよく表れます。Andreessen氏が書いたように、「市場がスタートアップから製品を引き出してくれる」のです。
Sequoiaでは、「髪の毛が燃えている」顧客を見つけることについて話しています。創業者である私は、その意味をじっくりと理解することはなく、単なる投資家のマーケティング用語だと思っていました。今、私は創業者と話すとき、この比喩を噛み砕いてより明確に説明することにしています。もし、あなたの隣にいる友人の髪が燃えていたとしたら、彼らがこの世で本当に気にかけているのはその火だけでしょう。お腹が空いていようが、ひどい別れを経験していようが、会議に遅刻していようが、その火を消すことを優先するでしょう。もし、あなたが彼らにホース(完璧な製品やソリューション)を手渡したら、彼らはすぐに火を消して、自分の道を行くでしょう。レンガを渡されても、レンガを掴んで自分の頭を叩いて火を消そうとするでしょう。中途半端で不完全な解決策をユーザーが喜んで試すような、切実な問題を見つける必要があるのです。
YCでは、創業者にMVP(minimum viable products)を作ることを勧めています。良い市場であれば、MVPは最初の顧客を獲得し、対話し、V2、V3、V4へのフィードバックを提供するのに必要なものです。小さな会社が大きな会社より優れている点は、迅速に行動し、非常に優れた顧客サービスによって問題に対処でき、顧客があまり期待していないということです。ですから、プロダクトマーケットフィットを見つけるには、ユーザーが本当に意味のある問題を抱えている市場を選び、素早く立ち上げて、ユーザーの声に耳を傾けることです。
実際にプロダクト・マーケット・フィットに到達することができたら、それはとても素晴らしいことです。そして、コアプロダクトの最適化、専門家の採用による効率化、戦略的な投資などを始めることができます。また、あなたはほとんどのスタートアップが夢見るよりもずっと先に進んでいるのです。
今回の記事は以上となります。
基本的に私たち消費者はすでにPMF済みの製品を手に取ることが多いため、意外にもその過程や判断基準が分かっておらず、とても勉強になりました。記事内で言及のあったMarc Andreessenさんの記事も翻訳したいと思いますので、こちらの記事も興味があれば読んでみてください。
今日のところはこの辺りで終わりにしたいと思います。それではまたあした!
Sources : https://www.michaelseibel.com/blog/the-real-product-market-fit
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