本日の記事はNick Routleyによる「Saying Bye to Facebook: Why Companies Change Their Name」という記事の翻訳版となります。
オリジナル記事はこちらから⏬
https://www.visualcapitalist.com/saying-bye-to-facebook-why-companies-change-their-name/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
会社を設立した人なら誰でも知っているように、社名を決めるのは簡単なことではありません。
次のような多くの考慮事項があります。
- SNSのIDやメールアドレス、ドメイン名は利用可能か?
- 似たような名前を使用している競合他社はいないか。
- 人々がその名前を綴り、発音し、覚えられるか?
- 文化的、象徴的な解釈で問題になることはないか?
などなど、数え上げればきりがありません。これらの検討事項は、すでに確立された企業であればあるほど、また、世界中に何十億人ものユーザーを持つ企業であればあるほど、より困難なものとなります。
Facebook(ソーシャルネットワークではなく親会社)が社名をMetaに変更しましたが、このリブランドの理由と思われるものをいくつか考えてみます。その前に、最近の歴史的な社名変更を見て、企業が社名を変更する様々な動機について探ってみましょう。以下は、リブランディングの中でも特に顕著なカテゴリーです。
社会的プレッシャー
社会的な認識は急速に変化するため、企業はその変化を事前に予測するために最善を尽くします。あるいは、もし変更が間に合わなければ、手を焼くことになるかもしれません。

時代とともに、特にESG投資の時代には、環境に対して負の外部性を持つ企業がより社会的圧力を受けるようになりました。フランスの石油大手TotalやPhilip Morrisが社名を変更した背景も社会的圧力からくるものです。前者の場合、トタル・エナジーへの社名変更は、同社が石油・ガスから再生可能エネルギーへとシフトすることを意味するものでした。
時代とともに、特にESG投資の時代には、よりあからさまな負の外部性を持つ企業が圧力を受けるようになりました。フランスの石油大手TotalやPhilip Morrisが社名を変更した背景には、社会的圧力がありました。前者の場合、トタル・エナジーへの社名変更は、同社が石油・ガスから再生可能エネルギーへとシフトすることを意味するものだった。
また、社名変更の理由がもっと微妙なケースもある。GMAC(General Motors Acceptance Corporation)は、サブプライムローンやその後の米国政府による数十億ドルの救済措置と関わりたくないという思いから、社名を変更することで「白紙状態」からスタートする一つの方法としたのである。実際、金融サービス会社としてのGMACは2010年にAllyへブランドを変更をおこないました。
リセットボタンを押す
不祥事や品質の低下など、さまざまな理由でブランドが不人気となることがあります。そのようなとき、社名を変更することで、古い、ネガティブなイメージを払拭することができます。

インターネットやテレビのプロバイダーは顧客満足度ランキングで最下位であり、それを考えると近年、多くのプロバイダーが社名を変更したのは当然のことと言えるでしょう。
さらには…
これは、特に企業が急拡大を遂げたり、新しい製品提供で成功を収めたりする際に、非常によく見られるシナリオです。持続的な成長と変化の時期を経て、企業は現在の名称があまりにも限定的であったり、もはや企業のあり方を正確に反映していないことに気づくかもしれません。

アップルもスターバックスも、この数年で社名を簡略化しています。前者は2007年に社名から「コンピューター」を外し、スターバックスは2011年に「コーヒー」を消しました。この2つのケースでは、社名変更は、その会社を成功に導いたものとの関連性を断つことを意味したが、どちらのケースでも、それは行うべき賭けだった言えるでしょう。
近年、最も大きな社名変更は、GoogleからAlphabetへの変更である。この社名変更は、同社がインターネット検索と広告の枠を超えて拡大したいという意思の表れでした。
Squareもまた、同じような状況に陥っていました。「Square」ブランドは同社のコマースソリューションの代名詞となっていたため、親会社は同社が他の事業分野へのシフトを示すための土台となったのです。
スタートアップ企業における社名決めの主軸
その他のよく知られた社名変更のストーリーとしては、企業のより早い段階での社名変更があげられるでしょう。

音楽業界では、限られたメロディーや無意識のうちに行われる盗作によって、今後ますます新しい音楽を生み出すことが難しくなるのではないかという憶測が流れています。それと同じように、世界には何百万という会社があり、その中で短くてキャッチーな社名は限られています。(だから、Quibiという会社ができてしまうのです)。
今日、私たちが使用している人気のデジタルサービスの多くは、まったく異なる名前で始まりました。今日私たちが知っているGoogleは、かつてBackrubと呼ばれていました。InstagramはBourbnとして始まり、Twitterはscrabble(=アメリカ文字並べのゲーム)の山で予備のEを見つける前に「Twittr」として始まりました。
商標問題
前述したように、多くの企業は、実験や情熱的なプロジェクトとしてスタートし、現実的で十分に吟味された名称をつけることは優先順位が高くはないのです。その結果、新しい会社が商標の問題に直面することがあります。

Snapchatの前身であるPicabooが2011年に社名変更を余儀なくされた時もそうだった。フォトブックの会社だったPicabooは、当時出会い系を主な用途としていたアプリとおねじ名前であることを快く思っていませんでした。
WWFという名称をめぐる争いは、もっと特殊なシナリオです。1994年、世界自然保護基金と世界レスリング連盟は、後者が「WWFチャンピオン」のような一時的な使用を除いて、国際的にこのイニシャルを使用しないことで合意しました。しかし、結局、この合意はほとんど無視され、プロレス会社がwwf.comを登録する際に、この問題によって難航することとなりました。。結局、訴訟に敗れ、WWE(ワールド・レスリング・エンタテインメント)としてリブランディングすることとなりました。
軌道修正
「人間万事塞翁が馬」というように、リブランディングは必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。社名変更が一般に受け入れられなかったり、もっと悪いことに、関連性がなかったりする場合は、軌道修正の時期がくるでしょう。

Tribune Publishingは、2016年にTroncに社名変更した後、後戻りを余儀なくされました。すべて小文字で揃えられたこの社名は、デジタルファーストの出版社になるための不恰好な試みと見なされ、広く非難されることとなりました。
では、なぜFacebookは社名変更をおこなったのか?
Facebookがこの社名変更に踏み切った理由はいくつかありますが、中でも一番の理由は、このブランドがスキャンダル、負の外部性、そしてMark Zuckerbergと取り返しのつかない関連性を持っていることです。
直近の障害や内部告発のスキャンダル以前から、フェイスブックは圧倒的に信用されていないテック企業でした。マMark Zuckerbergは、かつてシリコンバレーで最も称賛されたCEOだったが、その後、名誉を失ってしまった。
間近に迫った社名変更のネガティブなきっかけに注目するのは簡単だが、変更の背景には実質的な理由もあります。ひとつは、フェイスブックがプライバシーの問題によって、主要な収入源が危険にさらされていることを認識していることです。ユーザーのデータに基づいて構築された同社の広告主導型モデルは、年を追うごとに監視の目を向けられています。
また、メタバースという誇大広告の裏には、実体があります。フェイスブックが最初にその野心を示したのは、2014年にバーチャルリアリティヘッドセットメーカーのOculusを買収したタイミングでしょう。同社の従業員のかなりの部分が、すでにメタバースのコンセプトの実現に取り組んでおり、今後5年間でヨーロッパでさらに1万人を雇用する計画もあるそうです。
この巨大な賭けが実を結ぶかどうかはまだわかりませんが、近い将来、Zuckerberg氏とFacebookの投資家は、メディアや世間が新しいMetaという社名にどう反応し、社名変更がどのような影響をもたらすことになるか、注視していくことになるでしょう。何しろ、何十億ドルという金がかかっているのですから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日の記事は以上となります。
それではまた明日!
Source:https://www.visualcapitalist.com/saying-bye-to-facebook-why-companies-change-their-name/
コメント