史上初の時価総額2兆ドルを超える大企業となったAppleですが、その歴史の中には「倒産まで90日」とい言われた時期もありました。しかし、現在Appleは世界で最も価値のあるブランドになり、iPhone、iPad、Apple watch、Air Podsなどの世界中から憧れる存在であることは明白です。
倒産の窮地に立たされたAppleの復活を支えた人物は間違いなくスティーブ・ジョブズですが、復活を支えたプロダクトこそがiMacです。
そんなPC業界の常識を打ち破り、Appleをクールで魅力的なブランドに押し上げたプロダクトであるiMacの歴史をデザイン視点を中心に遡ってみます。
今回も、Apple ExplainedがYouTubeで公開している動画、iMacの歴史(History of the iMac)にて、初代iMacからiMac Proまでのプロダクトをご紹介します。
初代iMac G3/233

現地時間1998年5月6日に発売されました。それまでベージュの箱型だったパソコンの常識を覆し、次のような大きな変化をもたらしました。
- ・ブルーの半透明の筐体
- ・CPUと一体のディスプレイ
- ・RS-422シリアルポートなどのレガシーポートを廃止
1997年にアップルに復帰したジョブスが最初に手がけたのが、種類は多岐に渡り、ダサくなりすぎていたプロダクトラインをフォーカス(集中)することです。その取り組みの一番最初に手がけられたのが、こちらのiMacでした。
ジョブズが復帰後、急ピッチでデザイン・開発されたこちらのマシンは、丸みを帯びたデザイン・半透明のカラー・1億ドルを超える大規模なマーケティング・178,000円という低価格さから大ヒットとなり、ジョブズの復活、そしてAppleの復活を印象づける製品となりました。
特徴的な半透明のデザインはiMac本体だけでなく、キーボードからマウスにまでいたるところに採用され、その後、PC業界だけでなく、他業界でも半透明のデザインのプロダクトが目立つようになるなど、世の中に大きな衝撃を与えた製品でした。
この半透明の水色は正式にはボンダイブルーという名前で、オーストラリアのボンダイビーチの青さにインスパイアを受けたことから命名されたようです。
iMac G3/266

1999年1月24日に発売された、初代iMacの後継となる機種で、カラーリングがキャンディーカラーと呼ばれる
- ・ブルーベリー
- ・グレープ
- ・タンジェリン
- ・ライム
- ・ストロベリー
この5色が追加されました。
iMacのデザインを行うに当たって、インダストリアルデザインを担当していたVPのジョナサン・アイブ氏は、オリベッティ製の1960年代のタイプライターのような、レトロさと近未来感の混ざったデザインを意識していたようです。

iMacはそのキュートなデザインとポップなカラーリングによって、マニアックなオタクたちのものではなく、家庭や教室にも置いておきたくなるようなより身近な存在になりました。
また、iMacは性能面でも当時では十分なもので、WindowsユーザーがMacに乗り換えるきっかけになり、Appleの復活を印象づけるインターネット時代のためのPCとなりました。
また、こちらの 266MHzモデルは1999年のグッドデザイン賞も受賞しています。
iMac G3/450

2000年7月19日発表のモデルで、前世代よりも透明感の強い、ツルツルとした素材が特徴で、より透明感が強調されています。
業界に先駆けて光学式マウスのApple Pro Mouseが付属されたことも特徴的です。
また、だんだんとカラー展開が増えていき、最終的には13色のカラースキームが採用されました。

終わりに
今回は特徴的なデザインが印象的な初代iMacを中心にご紹介しました。
次は重力に逆らったようなデザインが特徴のランプiMacこと、iMac G4から先の製品をご紹介していきます。

現在のiMacまでのデザインの変遷を語る上で外せないモデルであり、MoMAに所蔵されていることからもそのデザイン性の高さをうかがい知ることことができます。
では、今回はここまで!
皆さんのより良い明日を願って!Good Luck!!!
引用:iMacの歴史(History of the iMac)
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