中国で成功できないアメリカ企業たち

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今回の記事はMarcus Luさん(Graphics/Design:Miranda Smithさん)による、「American Companies That Failed in China」の翻訳記事となります。

中国という市場が持つポテンシャルの大きさは今更説明するほどでもないかと思いますが、GAFAMをはじめとするテクノロジー企業や、その他分野のアメリカ企業大手は未だに中国での覇権を握ることができていません。その理由は中国当局による厳しい規制が原因なのでしょうか?またはそれ以外にも理由があるのでしょうか。中国市場へ挑んだ企業の実例を交え、ご紹介していきます。

オリジナル記事はこちらからご覧ください⏬
https://www.visualcapitalist.com/american-companies-that-failed-in-china/


American Companies That Failed in China
https://www.visualcapitalist.com/american-companies-that-failed-in-china/より

ここ何十年もの間、中国という市場は拡大を考えているアメリカ企業にとって最重要課題となっていました。

なぜなら、この国の中産階級はとにかく巨大で、2000年から2018年の間に、国の総人口の3.1%から50.8%に増加したからです。アメリカのシンクタンクであるBrookingsによると、現在、中国の中産階級は少なくとも7億人であり、このグループが消費財やサービスに費やす可処分所得はかつてないほど増えています。

市場の大きさと可能性にもかかわらず、中国は外国企業にとって参入しやすい場所とは言えません。このインフォグラフィックが示すように、アメリカの大企業の多くが最終的に敗北を認めています。

実際どの程度中国でビジネスを行ったのか?

次の表は、記事の上部分で掲載したグラフに含まれるすべての企業の中国での在職期間を示したものです。

注目すべきは、Googleの親会社であるAlphabetが、現在も中国に物理的な拠点を置いていることです。グーグルのサービスは、2010年に中国政府によって禁止されています。

企業開始日撤退日ビジネス期間(月)
eBayJuly 2003December 200641
AmazonAugust 2004July 2019178
Yahoo!September 1999November 2021266
Best BuyMay 2006March 201158
The Home DepotDecember 2006September 201269
GoogleJanuary 2006March 201050
Forever 21 (第1次)June 2008June 200912
Forever 21 (第二次)December 2011April 201988
Forever 21 (第3次)August 2021Ongoing継続中
GrouponMarch 2011June 201215
UberJuly 2014August 201625
Macy’sAugust 2015December 201840
LinkedInFebruary 2014October 202192
Visual Capitalistより

日付は各種メディア報道、情報源から収集したものです。実際のビジネス開始・撤退時期とは若干のずれがある場合があります。

これらの企業が撤退した理由は意外と似通っており、大きく2つに分けられます。

適応に失敗したリテール企業

中国の消費者の文化の違いに適応できないことは、よくある失敗です。ここでは、アメリカの小売業者2社がこの教訓をどのように学んだかをご紹介します。

Best Buy
ベスト・バイが苦戦したのは、中国の消費者がブランド力のある電子機器に割高な料金を支払うことを望まなかったからです。地元の小売業者は、類似品(または模倣品)をはるかに安く仕入れ、ベスト・バイの価格を下回る価格で販売することがよくありました。

「まったく同じ製品が地元の小売店でより安く買えるのに、なぜベスト・バイでSonyの DVD プレーヤーや Nokia の携帯電話を買うのでしょうか?

中国市場調査グループ、Shaun Rein 氏

また、ベスト・バイは大型の旗艦店を持ち込んだものの、ほとんどの消費者にとって手が届かないという失敗を犯しました。深刻な交通渋滞のため、地元の人々は自宅に近い小規模な店舗を好んだのです。

Home Depot
ホーム・デポはベスト・バイと同時期に中国に進出しましたが、残念ながらこれも文化のミスマッチでした。

ホーム・デポは、「do it yourself=DIY」が中国にとって文化的にあまりマッチしないことを認めなかったのです。人件費が比較的安いため、多くの住宅所有者は自分で作業するよりも、むしろ他の人に依頼することを好みます。一方、修理や改築を行う業者には、アメリカのブランドは通用しませんでした。

また、ホーム・デポの商品もアメリカのままであったため、現地の嗜好に合わないものになってしまいました。ちなみに、IKEAは1998年から中国に進出しており、現在も新規出店を続けています。

テクノロジー企業と規制当局の衝突

Uberの中国での経験は、アメリカのハイテク企業がアジア最大の経済圏で成功するためにいかに苦労しているかを示す良いケーススタディとなります。

まず、中国市場への参入には、とてつもなく大きな費用がかかりました。Uberは顧客とドライバーを獲得するために何十億もの補助金を使い、あっという間に損失が積み重なりました。さらに悪いことに、DiDiのような国内のライバル企業も補助金を出していたのです。

オペレーション面でも、Uberはいくつかのハードルにぶつかりました。中国のデータローカライゼーションの問題を回避するために、中国国内にサーバーを置く必要がありました。また、ナビゲーションを提供するグーグルマップも、中国国内での精度に限界があったのです。そのため、Uberは中国のハイテク企業であるBaiduと提携するほかありませんでした。

しかし、最終的には、ハイヤリング業界をターゲットとした一連の規制が迫っていたのでしょう。この規制により、Uberはデータを管理できなくなる恐れがあり、活動には国と省の両方の規制当局の承認が必要になりました。さらに、補助金も認められなくなる可能性があったのです。

Uberは、中国でのビジネスが持続不可能であることを認識したが、その撤退は必ずしも失敗ではなかったのです。2016年、UberはライバルのDiDiに資産を売却し、18.8%の株式を取得しました。皮肉なことに、DiDiは現在、NYSEへの上場をめぐって中国の規制当局との対立に巻き込まれています。

ハイテク企業の撤退は続く

Uberの撤退以降、中国政府はハイテク産業に対する支配力を強めています。これにより、YahooやMicrosoftが所有するようになったLinkedInなど、多くのアメリカ企業を国外に追いやりました。

両社は2021年に撤退を発表し、その理由についてはむしろ明確でした。ヤフーは「自由で開かれた」インターネットへのコミットメントを挙げ、リンクトインは「かなり困難な事業環境と高い規制要件」による決定だとしている。

米中間の地政学的緊張を考えると、(しばしば国家安全保障上の懸念とみなされる)データを生成する企業は、今後も規制上のハードルに直面する可能性があります。

ハイテク以外では、中国は依然として米国企業にとって大きなチャンスです。2027年までに、同国の中産階級は12億人に達し、世界全体の4分の1を占めると予想されています。


本日の記事は以上となります。

上記記事での内容をまとめると、テクノロジー企業以外を見ると、中国の商習慣や文化にフィットすることができず撤退する傾向が多いようですが、テクノロジー分野に限ると中国の規制当局との対立が主な理由となっているようでした。

しかし、Googleの例からもわかる通り、検索エンジンは規制がされていても、ハードウェア製造の拠点である深センには拠点を残し、実際に昨年はベトナムから生産拠点を中国に移していたり…という事実もあります。そのような傾向から考えると、やはりプラットフォーマーが中国国内でサービスを展開することは依然として高い壁がありますが、ハードウェア生産の拠点としては今もなお最良の環境であると言えそうです。

そんなところで本日も終わりにしたいと思います。
それではまた明日!

Source:https://www.visualcapitalist.com/american-companies-that-failed-in-china/

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