皆さんはメタバースについてどのくらいご存知でしょうか?「Fortnite」や「あつまれどうぶつの森」がメタバースと言われているのは知っているが、実際にはなんなのかわからない…という方も多いかと思います。(このブログをお読みの方はよくご存知の方も多そうですが…)
そんなメタバースの世界について、今回は特に大きな力を握っている3社にフォーカスし、それぞれの特徴、収益化の手段について解説してきます。
今回のオリジナル記事はJon Radoffさんの”Market Map of the Metaverse“を翻訳した記事となっております。
興味のある方はぜひオリジナル記事も読んでみてください!
ではここから記事のスタートです!
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メタバースのバリューチェーンについての記事では、エコシステムの7つの層について説明しました。今回の記事では、メタバースで最も重要な企業であるUnity、Epic Games、Robloxの3社に焦点を当て、共通点と相違点を説明していきます。
まず、それぞれの企業が市場の中でどのような位置にあるかを説明します。

それぞれの層が何を表しているのか簡単に説明していきます。
- Experience (体験)
体験とは、ゲーム、ソーシャルエクスペリエンス、ライブ音楽など、実際にユーザが使用し、他のユーザーと関わることによる経験のことです。 - Discovery (ディスカバリー)
ディスカバリーとは、ある体験が存在することを人々が知る方法です。 - The Creator Economy (クリエイターエコノミー)
クリエイター経済とは、クリエイターがメタバースに向けてモノを作り、収益化するためのあらゆるものを指しています。例えば、デザインツール、アニメーションシステム、グラフィックツール、収益化の技術などが挙げられます。これらの市場がどのように進化するかについては、「Creator Economyの進化」の記事をお読みください。 - Spatial Computing(空間コンピューティング)
空間コンピューティングとは、オブジェクトを3D化し、世界のオブジェクトをコンピューティングし、それらとのインタラクションを可能にするソフトウェアのことを指しています。3Dエンジン、ジェスチャー認識、空間マッピング、そしてそれをサポートするAIが含まれます。 - Decentralization(非中央集権)
非中央集権とは、エコシステムの多くを、許可のない、分散された、より民主的な構造に移行させることを指します。 - Human Interface (ヒューマンインタフェース)
ヒューマンインターフェースとは、私たちがメタバースにアクセスするためのハードウェアのことで、モバイル機器からVRヘッドセット、さらには高度なハプティクス(触覚の刺激を使用したデバイス)やスマートグラスなどの今はまだ実用化できていない未来の技術まで、あらゆるものが含まれます。 - Infrastructure(インフラストラクチャー)
インフラストラクチャーとは、半導体、マテリアルサイエンス、クラウドコンピューティング、通信ネットワークなど、上位レイヤーの構築を可能にするものです。
それぞれの企業がメタバースにおいての役割をわかりやすくするために、特定の企業や製品をどこにマッピングするかを判断しなければなりませんでした。事実上すべてのカテゴリーに小規模または「ホビー」規模のプロジェクトがあり、すべてを認識しようとはしませんでしたが、重要な企業の多くはここに配置されていると思います。大企業の場合は、複数のカテゴリーで評価されるようなサブブランドを持っていると考えました。(逆にもし、この他に見逃しているものがあれば、ご意見ください)
さて、話を戻して、差別化を図るメタバースにおける3つの大きなプラットフォームについて説明します。Unity、Epic Games、Robloxです。ここで重要なのは、これらの企業が非常に大きくなったために、メタバースの複数の層にわたって重要な取り組みを行っているということです。
Unity

- Experience (体験)
ゲーム、ソーシャル、Eスポーツ、シアター、買い物 - Discovery (ディスカバリー)
広告ネットワーク、ソーシャル、キュレーション、レーティング、エージェント - The Creator Economy (クリエイターエコノミー)
デザインツール、資産マーケット、コマース - Spatial Computing(空間コンピューティング)
3Dエンジン、VR/AR /XR、マルチタスク可能なUI、GPSマッピング - Decentralization(非中央集権)
エッジコンピューティング、AIによるエージェント、マイクロサービス、ブロッックチェーン - Human Interface (ヒューマンインタフェース)
モバイル、スマートグラス、ウェアラブル端末、声、ニューラル(触覚) - Infrastructure(インフラストラクチャー)
5G 、WiFi6、6G、クラウド、7mn to 14mn、MEM、GPU
Unityの中核となるのは、3D開発プラットフォームであり、ゲーム開発者、AR/VR/XR、メタバース体験のための、完全に統合された3Dエンジンとデザインスタジオです。Unityは、アセットストアで提供されるプラグインやアセットの大規模なエコシステムをサポートしています。
Unityは、FacebookやGoogleと並ぶ3大動画広告ネットワークの1つであるUnity Adsネットワークを通じて、収益の大部分を得ています。
Epic Games

- Experience (体験)
ゲーム、ソーシャル、Eスポーツ、シアター、買い物 - Discovery (ディスカバリー)
広告ネットワーク、ソーシャル、キュレーション、レーティング、エコシステム内ストア、エージェント - The Creator Economy (クリエイターエコノミー)
デザインツール、資産マーケット、コマース - Spatial Computing(空間コンピューティング)
3Dエンジン、VR/AR /XR、マルチタスク可能なUI、GPSマッピング - Decentralization(非中央集権)
エッジコンピューティング、AIによるエージェント、マイクロサービス、ブロッックチェーン - Human Interface (ヒューマンインタフェース)
モバイル、スマートグラス、ウェアラブル端末、声、ニューラル(触覚) - Infrastructure(インフラストラクチャー)
5G 、WiFi6、6G、クラウド、7mn to 14mn、MEM、GPU
Epicは、新たに10億ドルの民間資本を調達したばかりで、そのカテゴリーは多岐にわたっています。
- 3つの主要なメタバース プラットフォームの中でもユニークな存在であり、ゲームのプロパティを所有しています。最もよく知られているのは Fortnite です。フォートナイトの膨大な視聴者を利用して、4,500万人という驚異的な視聴者数を記録したTravis Scottの音楽コンサートなど、メタバース体験のプラットフォームとしても活用しています。Fortnite は、無料でプレイできるゲームとして収益化されています。
- Unreal Engineは、Epic社の3Dエンジン環境、デザインスタジオ、アセットマーケットプレイスです。このエンジンは、「マンダロリアン」のようなハリウッド映画作品での使用が増加しており、メタバースにメタヒューマンを住まわせるための技術に投資しています。Epicは、このエンジンで作られたゲームの収益の5%を受け取ります。
- Epic Gamesの主力収益源は、ゲームストアであり、競合するSteamと同様に、プレイヤーのためのソーシャルエコシステムでもあります。Epicはサードパーティのゲームに3億ドル以上を投資しています。Epicは、その主力事業を通じて購入されたゲームの収益の共有を行っています。
Roblox

- Experience (体験)
ゲーム、ソーシャル、Eスポーツ、シアター、買い物 - Discovery (ディスカバリー)
広告ネットワーク、ソーシャル、キュレーション、レーティング、エージェント - The Creator Economy (クリエイターエコノミー)
デザインツール、資産マーケット、コマース - Spatial Computing(空間コンピューティング)
3Dエンジン、VR/AR /XR、マルチタスク可能なUI、GPSマッピング - Decentralization(非中央集権)
エッジコンピューティング、AIによるエージェント、マイクロサービス、ブロッックチェーン - Human Interface (ヒューマンインタフェース)
モバイル、スマートグラス、ウェアラブル端末、声、ニューラル(触覚) - Infrastructure(インフラストラクチャー)
5G 、WiFi6、6G、クラウド、7mn to 14mn、MEM、GPU
Robloxは、”ゲーム “と呼ばれることもあるため、この3社の中で最も誤解されがちです。しかし、Roblox自体はゲームではなく、多数のゲームを含むプラットフォームなのです。
- Robloxは自分たちでゲームを作ることはありません。Unityのように、それは完全にクリエイターに委ねられています。しかし、Epicのように、このプラットフォームをオンラインのライブコンサートの場として利用しています。例えば、Lil Nas Xのコンサートでは、Roblox上で3,300万人という驚異的な数の人々を動員しました。Robloxのビジネスモデルは、収益をクリエイターと自分たちの間で分配するというものです。
- Robloxのディスカバリー・レイヤーは、他のクリエイターが作ったものを見ることができる「ゲームのためのYouTube」のようなものです。YouTubeがビデオのために行っていることを想像してみてください。そして、キュレーション、ディスカバリー、ソーシャル構造、レーティングが、ゲームの広大なネットワークにどのように適用されるかを考えてみてください。Robloxには、このエコシステムでゲームを宣伝するために使用できる広告プラットフォームがありますが、競争力のある広告ネットワークを構築するためにUnityが総力を挙げて取り組んでいるのに比べて、そこから得られる収益は比較的小さいものです。
- Robloxは、クリエイターがアセットやコードを共有するためのマーケットプライスだけでなく、デザインプラットフォームと統合された独自の3Dエンジンをを所有しています。
それぞれの企業の3つの大きな違い
これらの企業に共通しているのは、クリエイターがメタバース上で体験やゲームを作るための手段を提供していることです。しかし、クリエーターをどのように収益化し、支援するかは大きく異なります。
- 大きな違いの1つは、収益源です。Unity は広告ネットワークから莫大な収益を得ており、その収益は開発プラットフォームのライセンス収入を上回っています。Epicは、Fortniteなどの自社ゲームから多額の収益を得ているほか、自社エンジンを利用した他の製品からも収益を得ています。Robloxは、収益のほとんどをRobux(Roblox内の仮想通貨)の販売から得ており、これをクリエイターに分配しています。
- EpicとRobloxの両社は、それぞれのストアや体験を包括する重要なソーシャル エコシステムを持っています。Unity は、ソーシャルとゲームプレイの体験を自社の顧客に任せています。
- 各社とも、今後数年間でメタバースから得られる莫大な価値があります。その先の展開は、自社製品の成功に基づいて、どのように隣あう領域に拡大していくか、そしてクリエイター経済をどのように支援していくかにかかっています。
あなたがメタバース上ででの体験を今後享受することになるようになる可能性があるのであれば、各社の収益方法についても知っておく必要があるのかもしれません。
Roblox、Epic、Unityの概要をご覧になった方は、メタバースの7つの層の概要を説明した元記事の筆者Jonさんの記事もお楽しみください。
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今回の記事はいかがだったでしょうか?日本ではFortniteの影響もあってか、Epicが一番身近な存在なのかな、と思います。しかし、今後現実空間のミラーワールドとしてのメタバースが広まれば、レディ・プレイヤー1の世界のオアシスのような空間をこのどれかの企業が作り出すのかもしれませんね、、楽しみw
ということで今回の記事は終わりです。また次の記事でお会いしましょう!
今回の記事のソースはこちら:https://medium.com/about?autoplay=1&source=post_page—–8ae0cde89696——————————–
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