今回の記事はMediumに掲載のFiona Livingstonさんによる「Does your brand have a point?」の翻訳記事となります。
オリジナル版はこちらから⏬
https://fiona-livingston.medium.com/does-your-brand-have-a-point-bbac6ff5b3a9
「あなたのブランドは何のためにあるのでしょうか?」この問いに答えられなければ、どうやってお客さまに製品やサービスを買ってもらおうというのでしょうか?競争力を高め、他社に差をつけるためには、あなたのブランドに具体的でわかりやすい「ポイント」や「目的」が必要なのです。
新しいブランドや既存のブランドの戦略的プランニングを考えることは、大変なことのように思えるかもしれません。ブランドは、それ自体、目に見えるものではないので、理解するのが難しい場合もあります。それは、アイデアであり、目的であり、感情を揺さぶるものだからです。では、ブランドに目的を持たせるには、どうしたらよいのでしょうか。
まず、ブランドとは、ロゴや名前、スローガンを超えたものであり、お客さまがあなたの会社や製品、サービスに対して抱く体験のすべてであることを認識する必要があります。
次に、ブランド価値を慎重に調査し、計画し、製品や行動を通じて伝えることです。
私たちは、ブランドとは何かを探求し、ブランド戦略の基本を作り上げることで、あなたのブランドを推進する自信と明確な道筋を与えていきます。
ブランドとは何か?
ブランドとは、顧客に対して簡潔かつ特有の利益をもたらす製品やサービスのことです。顧客がブランドを理解し、生活にもたらす利益を実感するためには、異なるものであると同時に、親しみやすいものである必要があります。最も重要なことは、ブランドは戦略によって推進され、ブランドに関する良い選択と方向性が決定される枠組みがあることです。
ブランド戦略の役割は、顧客とチームが理解できるように、ブランドのストーリーの重要な要素を記述し、定義し、順序付けることです。
優れたブランドには、なぜそのブランドが存在するのかというポイントがあるはずです。「ポイント」を持っているブランドは、次のような活動を説得力を持って行うことができるようになります。
- 一貫性と結束力をもって組織全体を方向づける
- リソースを増強し、スタッフが戦略の主要な目的を理解し、お金と時間をどこに配分すべきかを理解できるようにする。
- チームが理解できるビジョンを定義する
- 真の価値の抽出
- キーメッセージの発信
- 顧客や競合他社から見て、適切な存在であり、差別化された存在であること
これらのキーメッセージを伝えるためにより意味のある情報を集めるには、首尾一貫した明確なブランド戦略を立てる必要があります。
ブランド戦略とは?
ブランド戦略は、あなたが何を支持し、何を約束し、どのような個性を顧客に伝えるかを定義するものです。ブランド戦略には、ロゴ、カラーパレット、スローガンなどが含まれますが、これらはブランドを伝えるクリエイティブな要素にすぎず、あなたのストーリーを伝えるための手段でしかありません。むしろ、お客さまとの日々のやりとりの中にこそ、あなたのブランドは息づいているのです。ブランド戦略は、競争力のあるポジショニングを実現し、顧客の心の中にある特定の「何か」として、あなたを位置づけるために働きます。
ブランド戦略は、以下の4つの領域で構成されます。
「ビジョン」「ポジショニング」「プロポジション」「バリュー」
ビジョン:指針となる目的、ポイント、何を支持するのか
ポジショニング:ブランドの本質を表しています。
プロポジション:ブランドをどのように表現するか
バリュー:ブランドの個性
この4つのポイントがどのようにブランド戦略を形成しているのか、それぞれを詳しく見ていきましょう。
ビジョン・ステートメント
ビジョンは、ブランド戦略を立てるための最初のステップです。ここで、自分たちがどこへ行こうとしているのかを定義するのです。ビジョン・ステートメントには、ブランドがミッションを達成したときに目指すべき姿が描かれています。このステートメントは、ビジネスの “Where“、つまり、あなたの会社がどのような方向に進もうとしているのか、どのようなインパクトを与えたいと考えているのかを明らかにするものです。
Visonとは:会社全体に影響を与える、大きく、広く、長期的なスケールのステートメントです。
ビジョンを明確にするためには、次のようなステップで検討する必要があります。
- 潜在的な障壁とドライバーを調査する。障壁について考えるとき、その影響の重大さ、例えば、スピードが落ちるのか、止まるのか、などを検討す流必要があります。また、あなたの会社は一般的に変化を取り入れるのが遅いのか、悪い習慣が身についているのか、ある分野でかつて持っていた優位性を失っていないかなど、社内で考えてみてください。
- 目的地のゴールに向かうための資産は何でしょうか。
- すでに築き上げられたものは何か?ここでは、製品、チーム、サービス/製品への需要に注目する必要があります。
- メッセージの作成を作成する。
ビジョン・ステートメントの例
Creative Commons: 研究と教育への普遍的なアクセス、カルチャーへの積極的な参加など、 開発、成長、生産性の新時代を推進するために、インターネットの潜在能力をフルに発揮する。
Disney:ディズニーが世界一のエンターテインメント企業であるために、象徴的なブランド、クリエイティブな才能、革新的なテクノロジーを反映し、比類ないストーリーテリングの力によって、世界中の人々を楽しませ、情報を提供し、感動させることです。
ポジショニング
ポジショニングとは、顧客やチームの心の中でブランドがどのように位置づけられるかを示すものです。競合との差別化を図る方法であり、消費者がブランドを認識し、つながりを持つ方法です。ブランドを貫く屋台骨であり、ブランドをユニークなものにするものであり、ブランドの発展やコミュニケーションのあり方に大きな影響を与え、形成することができます。
”ポジショニング”の役割は、船の舵のように、ブランドの舵取りをすることです。
ポジショニングは、短い文章にする必要があります。戦略としてこの部分では、「less is more」であり、ブランドの本質をコア・オファーに抽出するための明確な方向性を必要とします。
ブランドのポジショニングは、トーンや発言、ビジュアルデザイン、対面やソーシャルメディアにおける企業の表現方法など、さまざまな手段で伝えることができます。
ポジショニングの例
Apple:
Appleは、これまで経験したことのないような美しく革新的なコンピュータを作り、消費者の共感を得るためにマーケティングを行っています。
Appleのメッセージは、製品と同じように消費者の資質を強調しています。もしあなたがAppleユーザーなら、あなたも革新的で、想像力に富み、クリエイティブです。
Appleはブランディングから価格を排除し、その代わりに製品の価値と消費者とのつながりに焦点を合わせています。
Nike:
Nikeは、パフォーマンスとイノベーションに焦点を当てた製品で、特にシューズに重点を置いてスタートしました。現在、彼らの製品はシューズの枠を超え、パフォーマンスを高めるウェアを提供しています。
彼らのブランディングとメッセージングは、「Just Do It」というキャッチフレーズから、彼らの名前の由来であるギリシャ神話の勝利の女神に至るまで、エンパワーメントに焦点を当てているのです。モデルもアスリートも、笑顔でハッピーな顔をしているわけではなく、ゲームに真剣に向き合いながら体を動かしているのです。
Nikeは、あなたが常に最高のパフォーマンスを発揮できるようサポートしたいと考えています。
プロポジション
バリュープロポジションとは、オーディエンスに対して自社ブランドをどのように表現するかということです。それは、空虚なバズワードで埋め尽くされるのではなく、明確で、正直で、やる気を起こさせるものでなければなりません。バリュープロポジションは(ときに単にプロポジションとも呼ばれますが)、タグライン、スローガンと呼ばれることもあります。たった数単語という長さで、聴衆を惹きつけるものでなければなりません。名刺、ウェブサイト、ソーシャルメディア、広告など、あなたのブランドが登場するあらゆる場所に表示されるもので、あなたのストーリーを紹介するものです。ブランド・プロポジションは、あなたのブランドへの扉を開くものだと考えるとよいでしょう。ブランド・プロポジションは、お客さまがブランドの中に入っていけるようにするものであり、入口の障壁を作るものではありません。ブランドにとって意味のある言葉を選びましょう。なぜこの言葉が選ばれたのかがわからなければ、あなたのお客様もわからないでしょう。
バリュー・プロポジションは、競合他社ではなく、なぜあなたと取引をする必要があるのかを顧客に伝えるものです。バリュー・プロポジションは、製品やサービスの利点を明確にし、最初から理解できるようにするものです。
バリュープロポジションの例:
Uber:思い通りの移動ができる
BMW:究極のドライビングマシン
Airbnb:どこにでも滞在できる
バリュー
消費者の力が強まったこの世界でオーディエンスとのつながりを持ちたいなら、オーディエンスが誰で、どのようにアプローチするのが正しいのかを知らなければなりません。そのためには、オーディエンスの特徴や個性、彼らが目指す人物像を定義することが必要です。現代のブランドは、人間的な感情を通じてオーディエンスとつながるように設計された人間的なブランドペルソナやパーソナリティを持っています。
このような人間的な特性は、あなたのブランド価値とも言えます。あなたのブランドを一人の人間として考えてみてください。あなたは、そのブランドをどのように表現しますか?バリューは社内外で使われます。社内では、共通の目標に向かって働くチームの集中力とベンチマークになるため、非常に大きな影響力を持ちます。社外的には、バリューは、お客様がブランドを認識し、あなたのブランドの中に自分自身を見ることができるようにします。バリューは、あなたが何を支持し、何をしているのかを説明し、顧客との関連性を確保するものでなければなりません。
ブランドのバリューの例:
ハーレーダビッドソン:
ブランドアイデンティティ:Rugged (頑丈で無骨)
ブランド言語:Gritty (勇気ある、挫けない)
ブランドのトーン:Rough (ラフ)
特徴:Rebellious / Disruptive (反抗的で破壊的)
モチベーション:Liberation (自由への運動)
懸念:Conformity (従順・服従すること)
Red Bull:
ブランドアイデンティティ:Edgy (カッコよくて最先端)
ブランド言語:Energetic (活発でエネルギッシュ)
ブランドのトーン:Caffeinated (カフェイン入り)
特徴:Extreme / Outrageous (過激でとにかく凄い)
モチベーション:Adrenaline (興奮へのアドレナリン)
懸念:Calm (平穏や落ち着き)
まとめ
この4つのステップを踏むことで、ブランドの意義や目的が具体的に見えてくるはずです。そして、ブランドメッセージを支えるロゴ、カラー、フォント、デジタル/アナログのコミュニケーション・チャネルに焦点を当て始めることができます。そして、適切なオーディエンスがあなたのブランドと関わり、高いロイヤリティの顧客や支持者となるようにするのです。
本日の記事は以上となります。
顧客に対してそのブランドがどのような存在なのかを伝える手段としてブランド戦略を策定することが重要でした。そしてそのブランド戦略の柱として、「ビジョン」「ポジショニング」「プロポジション」「バリュー」の4つがありました。
ブランド戦略の策定はこれらのプロセスに沿うことでほぼ全てのブランドが決定することができるものであると思います。しかし、その後のプロセスとして消費者に対してブランドイメージが定着する企業とされない企業に別れるのには、一貫性を持ったイメージをある程度の期間継続することができているのか、というその企業自体の組織への浸透度合いが原因となるケースが多いのかなと思いました。
その点では、やはり創業者がCEOとして残っている企業はトップの戦略さえブレなければ継続してブランドイメージを発信できるため優位になるのかなと。
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https://fiona-livingston.medium.com/
こんなところで、今日は終わりにしたいと思います。
それではまた明日!
Source : https://fiona-livingston.medium.com/does-your-brand-have-a-point-bbac6ff5b3a9
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