Foster + Partnersはハイテク業界の巨人の小売戦略を実現するため、Apple Storeを次々とデザインしてきました。ここでは、その設計の中から特に優れた10選をパリからイスタンブールまで、計10選ご紹介していきます。
今回の記事はDezeenのTen of the most appealing Apple Stores designed by Foster + Partnersの記事をベースに作成しております。
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ではここから今回の記事のスタートです!
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Apple Zorlu Centre:トルコ:2014年オープン

イスタンブールにあるApple Zorlu CentreはFoster + PartnersがデザインしたApple Storeのうち、最初のストアとしてオープンしました。
地下2階にあるこの店舗は、ショッピングセンターの広場にそびえ立つ大きな立方体のガラスでできており、来訪者に中の様子を見せることができます。

イスタンブールのZorlu Centreに位置するこの店舗は、Foster + PartnersがAppleのために設計した最初の小売り店舗です。

上にも記載している通り、この店舗はショッピングセンターの地下2階に位置しており、元々は18平方メートルの滝のようなオブジェが設置されていましたが、その空間を活用する形で設計されました。

フレームレスガラスの箱のような構造が空間の上に広がっており、ショッピングセンターの上層階に店舗の存在を示し、買い物客が中を見下ろすこのとできる構造になっています。

Foster + PartnersはApple Storeのデザインの全てを請け負っており、この後にもサンフランシスコの店舗のデザインを手掛けました。
Appleは、全面ガラス張りの店舗や長方形のテーブルなど、店舗空間の「特徴的なデザインとレイアウト」の商標登録に成功しました。現在、世界中に400以上のApple Storeがあります。

しかし、この店舗がオープンした直後、店舗コンセプトを考案したデザイナーのうち一人がAppleStoreが「可能な限り迅速に進化していない」と発言したことで、Appleは批判にさらされることとなりました。
Foster + Partnersは2009年の同社のカリフォルニア新本社であるApple Campus 2のデザインでAppleとのパートナーシップを開始しました。
この両社の関係性はAppleの元CEO スティーブ・ジョブズが突然ノーマン・フォスター氏に「Hi Norman, I need some help」と言ったことに由来します。

Main image is by Robert S Donovan. Additional photography is courtesy of Apple.
Apple West lake:中国:2015年オープン

アジアにあるApple storeの中で最も大きい店舗の1つであり、高さ15mのガラス製です。片側のみが固定されたカンチレバーのフロアになっており、両側にはガラス製の階段が備え付けられています。
Foster + Partnersによると、このデザインは「その地域のコンテクストへの理解と、Apple製品の特徴でもあるシンプルさ、美しさ、技術革新の哲学を組み合わせたもの」と語っています。

West LakeにあるこのアップルストアはAppleの小売、オンラインストア担当のシニアバイスプレジデントであるAngela Ahrendts氏が2015年の旧正月にオープンすると発表した5つの店舗のうちの1つです。

河南省の首都である鄭州で2015年1月10日に第1号店がオープンしました。西湖にあるこの店舗は2013年からアップルストアのデザインを担当しているFoster + Partners の舵取りによって、第1号店に2週間遅れる形でオープンしました。

Appleとエンジニアリング会社のEckersley O’Callaghanの協力を得て完成したこの建物は、11枚の2重ガラスパネルで構成されている透明の外観が特徴です。
機械制御されているブラインドによって必要に応じて遮光することが可能ですが、通常時は天井内に隠しておくことが可能です。

上層階は後ろの壁から12m程度突き出すような構造になっており、高さ9mの空間は「広さと静けさ」を感じられるものになっています。

この階段により、上層階は空間の中心に浮かぶステージのような印象を与えることが可能となります。このような建築の工夫によって都市の中の新しい構造と空間を生み出しました。

機械的な振動を抑えるためダイナミックダンパ(動吸振器)を使用することで、画像の通り、床を非常に薄くすることが可能になりました。元々は1.2メートル程度だったものが、10センチ程度まで細くなっています。

ライトアップされた白い天井は、音を減衰させる効果もある特注の照明パネルで構成されており、店舗の反対側に配置された階段は、ガラス製の踏み板が浮いてているようなデザインになっており、埋め込まれたボルトで固定されています。

階段を下から見るとこんな感じ

Appleは2008年、北京に中国で最初の直営店をオープンさせました。今回のオリジナル記事の執筆時点で中国における店舗数は20になっており、Tim Cook CEOは2015年時点で、2年後までに倍の40店舗に増加させると語っていました。
実際に、2021年時点では中国に38店舗、香港に6店舗、マカオに2店舗出店しています。

Photography is by Nigel Young, Foster + Partners.
Apple Michigan Avenue:アメリカ:2017年オープン

シカゴの河岸に位置しているこの店舗は、Macbookを大きくしたようなカーボンファイバー製の屋根が特徴的です。
このガラス張りの店舗は両端に御影石の階段があり、隣接する広場から川沿いの遊歩道までの道に建っています。

この建物の特徴としては、やはりカーボンファイバー製の非常に薄い屋根です。またその屋根を支える支柱は4本あり、店舗が一面ガラスで覆われるよう考えられています。
Appleの元チーフデザイナーであるJonathan Ive氏によると、「Apple ミシガンアベニューは店舗内部と外の景観の境界線を無くすように設計されており、街とのつながりを取り戻すことを目的としている」と述べています。また、それは水から切り離されていた歴史的な広場を再び統合する役割を担い、川に向かって緩やかに流れていくようなダイナミックなアリーナをシカゴに作り出しました。

Foster + Partnersは2003年にノースミシガンアベニューに建築された旗艦店に代わる店舗として、このApple ミシガンアベニューを建築しました。
この新店舗は、これまでで最も野心的であると言われており、スタートアップ企業の設立、写真、アートワーク、詩など、さまざまな分野をカバーする1ヶ月間のコースプログラム「Chicago Series」をはじめ、コミュニティのための社会的なハブや教室としても機能します。
店内は、一般のお客様がリラックスできるように、上層階には段差のある席を設け、下層階は奥の店舗のテーブルから川側の低めのテーブルまで、開放的な空間になっています。

Appleの元リテール担当上級副社長であるアンジェラ・アーレンツ氏は、「2003年にノース・ミシガン・アベニューにAppleがオープンしたとき、そこはAppleにとって最初の旗艦店でした。そして今回、シカゴに戻ってきて、Appleにとって最も重要な世界的小売拠点の新世代の第一号店をオープンすることになりました」と述べています。
この取り組みは、スペシャリストによる店頭での無料教育セッション「Today at Apple」プログラムの一環として行われます。
Apple Orchard Road:シンガポール:2017年オープン

鉢植えの木や石造りの階段が特徴的な、シンガポールのアップルストア。
Foster + Partnersがデザインした他の店舗と同様に、このシンガポールの店舗も緑が取り入れられており、エントランスには8本の成木と、店内には12本のイチジクの木が植えられています。

Apple Orchard Roadは、シンガポールがアジアで最も環境に優しい都市であることを考慮して設計された、シンガポール初のApple Storeです。
また、このビルにはサステイナブルな技術が数多く導入されており、エネルギーはすべて再生可能エネルギーで賄われています。

Foster + Partnersのスタジオ責任者である建築家のStefan Behling氏によると、「この店舗はこれまで最も緑豊かなAppleの空間の一つです」と述べられています。
「中二階から一階へ、そしてOrchard Roadへと緑が流れていくことで、内と外の境界線が取り払われ、街に溶け込むようなデザインになっている」と述べています。
また、このApple Storeの外観は、幅36.5メートルの最小限のガラスで構成されています。この外観は、シンガポールの厳しい熱帯雨林気候から保護するため、片持ち梁の細い屋根の下に設置されています。
この外観の前には、8本の成熟した樹木が立ち並び、エントランスの公共広場を縁取っています。その目的は、かつてこの地域にあった果物やナツメグの木に敬意を表して、緑の果樹園を作ることでオマージュすることでした。

2階建ての空間は、イタリアのカスターニャストーンの壁で縁取られ、手彫りの2つの螺旋階段と一体化しています。建築家は、この螺旋階段を「温かみがあり、美しく彫刻されたブックエンド」と表現し、「クラフトマンシップと素材感へのオマージュ」を表現しています。
イチジクの木は2階と3階にあり、以前の店舗と同じドーナツ型の鉢に植えられていますが、大半は中2階にあります。
また、こちらの店舗にはAppleにある「Genius Bar」ではなく「Genius Grove」と呼ばれるスペースがあり、世界中のApple Storeの中でも最大規模のものです。
そのほか、「The Forum」と呼ばれるスペースには、アップル社の世界最大級のビデオスクリーンが設置されています。この店舗は、街のクリエイティブなコミュニティが集う場所となることを目指しています。
Apple Dubai Mall:アラブ首長国連邦:2017年オープン

アラブ首長国連邦のドバイ・モールの2階に位置するこの店舗の最大の特徴は、世界で最も高いビル「ブルジュ・ハリファ」(高さ830m)を見渡せる56mのテラスにあります。
この店舗は複雑なデザインのカーボン製のシャッターが特徴です。伝統的なアラビアのマシュラビヤという飾り窓を模しており、日中は店舗の日よけとして利用されています。
この飾り窓の開閉の様子はこちら⏬
この開閉するスクリーンは日中は空間を囲むように閉まり、夜はテラスに出られるように開きます。この「ソーラーウィング」の動きは、鷲が羽ばたく動きをイメージしています。

Foster + Partnersの店舗設計責任者であるStefan Behling氏は、「この巨大なソーラーウィングの開閉は、繊細なバレエのリサイタルにも似ていますが、そのスケールは巨大です」と語っています。
また、「ある意味では、非常にスピリチュアルな体験です。太陽の光がソーラーウィングの間を通り抜け、最も繊細で美しい光と影のパターンを作り出し、テクノロジーと文化のシームレスな融合を実現しています。」とも述べています。

Foster + Partnersがこれまでにロンドンやサンフランシスコで設計したApple Storeと同様に、このショップでも円筒形のプランターに成木が植えられています。
プランターは機械的に回転するように設計されており、木に均等に日光が当たるようになっています。また、プランターの縁には椅子が組み込まれており、お客様が景色を眺めることができるようになっています。

プランターはこんな感じ。
アップルのアクセサリー専用のディスプレイは、ストアの下層部にある「The Avenue」と名付けられたエリアの木々のそばに設置されています。
また、写真や映像制作などのトレーニングを行う新しいマスタークラスプログラム「Today at Apple」も、この店舗で最初に導入されました。

「Apple Dubai Mallのデザインは、来訪者に卓越した建築的・社会的な体験を提供することであり、コミュニティの中で進化するアップルのフラッグシップモデルの役割についての新しいアイデアを前面に押し出すものです」と先出のBehling氏は述べています。「Apple Dubai Mallが真の人々の居場所になることを確信しています」と述べています。

Apple Cotai Central:中国:2018年オープン

このマカオ近郊の埋立島にある立方体のApple Storeは、ガラスと石を組み合わせた半透明の店舗入り口が特徴です。
この建物は内部、外部どちらにも竹を取り入れています。建物の周囲には竹が密集しており、中央のアトリウムには竹の「木立ち」があります。
鬱蒼とした竹林に囲まれた広場に建つ立方体のApple Cotai Centreは、ガラスと石を組み合わせた革新的な外観により、内部から光を放っています。

5層のガラスに非常に薄い石の層を重ねることで、光を通す強固な石壁のような錯覚をもたらしています。
デザインしたFoster + Partnersは、この外観の効果を紙製のランタンやステンドグラスに例えています。

この建物は、ホテルやカジノが密集しているコタイ島の明るい電灯やネオンとは対照的な、温かみのある光を放っているのが特徴です。
建物の構造を支える3本の角柱は、鏡面仕上げのステンレススチールが使用されており、外観の淡い質感を反映しています。

「私たちが作りたかったのは、とてもシンプルで純粋なものです。それは、マカオの音、景色、色を引き立て、透明感と静けさを体現した美しくエレガントな建物です」とStefan Behling氏は語ります。
加えて、「このデザインは、内部と外部の2つの異なる空間を作り出し、自然素材を革新的に使用することで本物の美しさを表現しています」とも述べています。

内部は、広場とは逆の空間として設計されており、中央には白い長方形のプランターに植えられた竹の「木立」があります。竹の葉は、床に開けられた四角い穴を通って、上階に向かって伸びていきます。
また、建物の外壁にも竹のスクリーンが設けられており、壁の下部に設けられたラップアラウンドガラスを通して見ることができます。

昼間の光は、屋根に設置された天窓から入ります。また、金属で縁取られた天窓からは、1階へと続く2つの石段が照らされています。
1階は全体が石のガラスで囲まれており、竹を見下ろすことができます。吹き抜けの周りには、木製のディスプレイテーブルが配置されています。
また、店舗の一角には高さ10.6mのビデオウォールを設置し、隣接する商業施設やカジノの入り口に近い位置に配置しました。

Apple Centre Cotaiは、 Foster + Partnersと元リテール&オンラインストア担当上級副社長Angela Ahrendts氏と、アップル社の元デザインチーフであるJonathan Ive氏のコラボレーションにより設計されました。
Photography is by Nigel Young.
Apple Champs-Élysées:フランス:2018年オープン

Foster + PartnersがデザインしたApple storeの中でも最も型にはまらない店舗の1つと言えるのが、こちらのパリのシャンゼリゼ通りにある19世紀のアパートを改装したこの店舗です。
この店舗は中庭を囲むような形に作られており、その上には万華鏡のような天窓が設置されています。それによって、建物内に太陽光を反射させています。

シャンゼリゼ通りとワシントン通りの角に位置するこのストアは、Foster + Partnersが「パリの典型的なアパルトマン」と表現する場所に建てられています。
店舗は、現存するオリジナルのディテールと、現代的で光あふれる新しいインテリアを注意深く融合させて設計されています。お客様は、19世紀のパリの通路を通り、両側にディスプレイスペースを設けて、新しく生まれ変わった中庭にたどり着くと、そこには大きな木が点在しています。
この中庭は、鏡面のピラミッド形をした万華鏡のような太陽光に照らされており、内観やフロアに薄日が反射しています。

単に太陽光に照らされるだけでなく、時間によってその光は表情を変えるのがまた良い雰囲気です。
屋根を覆うソーラーパネルは、下から見ると周囲の建物の断片的なイメージを映し出しています。これは、立体派の伝統を参考にしたものだと、建築家は述べています。
この反射は、お客さまが建物内を移動するたびに、昼夜を通して変化します。

中庭ではアップル社のイベントが開催され、様々な分野の専門家による楽しいトークショーやレクチャーが行われます。
Foster + Partnersは、「中庭は、歴史的なプロムナードの活気を建物の奥深くまで引き込み、生命力とエネルギーに満ちたユニークなインテリア体験を生み出します」とコメントしています。

中庭に隣接して、緑の壁や椅子を配した落ち着いた空間があり、来訪者が立ち止まって休息できる場所となっています。
建物内部には、修復されたオリジナルの木材と大理石の大階段があり、これは「エスカリエ・ドヌール」と呼ばれ、上の階へと続いています。

元々はブルジョワのアパルトマンの集合住宅として設計されたこの建物は、その生涯を通じていくつかの段階的な変化を経てきました。
建築家は、19世紀のパリのアパルトマンのディテールや相互につながった空間を復元し、後に増築された部分を意図的に取り除き、現代的な空間に置き換えることで、この建物のオリジナルの精神を蘇らせたいと考えました。

「このようにスケールとスタイルが重層的に移行することで、来場者は、異なる部屋の展示エリアを通過する際に、現代的な空間から歴史的なファブリックのフレームを垣間見たり、逆に、この場所の歴史を理解することができます」と建築家は述べています。
各部屋のバルコニーからは、ボザール様式の建物が立ち並ぶシャンゼリゼ通りや、エッフェル塔の眺めが楽しめます。

Foster + Partnersの責任者であるStefan Behlingは、「世界で最も美しい大通り沿いに位置する、世界で最もユニークなアップルのフラッグシップです」と述べています。
加えて、「真のパリジャン・スタイルとして、質感に富み、五感を刺激するさまざまな体験を提供します」と述べています。
「これは、歴史的なものと現代的なもの、内部と外部、そして地上と空を結びつける、内部空間全体に流れる対比や並列のアイデアを象徴しています」。

また、この建物は以前、ブラジルの発明家で航空業界のパイオニアであるアルベルト・サントス=デュモンが住んでいたことも知られています。
サントス-デュモンは、世界で初めて飛行機を操縦した人物の一人として知られており、今日の航空業界の発展に大きく貢献しました。
「Apple Champs-Élyséesは、このような先駆者たちのビジョンと先見性を称え、あらゆる分野での創造性と革新性を促進する空間を創造します」と建築家は述べています。

Photography in by Nigel Young.
Apple Kyoto;日本:2018年オープン

京都にあるAppleストアは日本の伝統的な家屋や提灯の素材感をモチーフにした巨大な半透明の外観が特徴的です。
この特徴的な外観は、アルミニウムのフレームにドットをプリントしたガラス製で、その内側に紙製のパネルを配置することで実現させています。
この建物は、1600年代から京都の中でも重要なショッピングストリートである四条通に位置しています。

この半透明なガラスの外観が賑やかな四条通りと落ち着いた店内の境界線を曖昧にし、お客様を店内へと招き入れます。

アップル京都は、2階建てで、建物の後ろにある「高くそびえる」複数のレベルの吹き抜けを中心に構成されています。
エントランスのガラスの引き戸を開けると、中央には最新のアップル製品が展示された木製のキャビネットとテーブルが並んでいます。
アップル京都の一番奥に、Foster + Partnersは、店舗の「動く背景」となる大きなディスプレイ・スクリーンを設置しました。
このスクリーンには可動式のキューブ型スツールが設置されており、無料のイベントやワークショップを開催できるようになっています。

スクリーンの後ろには、手すりのついた白いミニマルな階段が隠されており、この階段は上の階のディスプレイエリアへと続いています。
アップルは現在、日本での店舗展開を進めており、2003年にアメリカ以外で初めてアップルストアがオープンした国でもあります。

日本には京都の他にも東京などいくつかのApple Storeがありますが、Foster + Partnersのデザインとしては日本初の店舗となります。
Photography is by Nigel Young/Foster + Partners unless stated.
Apple Piazza Liberty:イタリア:2018年オープン

イタリアのミラノにあるこの店舗は、高さ8メートルの滝のような外観が特徴的です。Foster + Partnersはイタリアの伝統的な広場の中に店舗を沈めるようなデザインを設計しました。
アンフィシアターの端に位置するこの店舗では、高さ8メートルの壁の中へ入り込むような構造になっており、子供の頃に噴水の中を駆け抜けた時のような「没入感」再現した水景があります。
Foster + Partnersのスタジオ責任者であるStefan Behling氏は「この噴水は、私たち一人ひとりに語りかけてくる子供のような興奮を表現しており、そのシンプルさは、大きな噴水の中を濡れずに歩いていくというアイデアと、生きていることの喜びを反映しています」と述べています。
(この噴水のオブジェクトから生きる喜びまで発想できるんですね、、、笑)

Apple Piazza Libertyは、ヴィットリオ・エマヌエーレ通りから少し離れた場所にあり、Appleにとって新しいデザインスタイルを採用したイタリア初の拠点となります。

Appleの元チーフデザインオフィサーであるジョニー・アイブは、「イタリアの歴史的な広場の中で仕事をすることは、大きな責任と素晴らしい挑戦です」と語りました。
「私たちは、イタリアの広場の2つの基本要素である水と石を組み合わせ、そこにガラスの出入り口を加えました。それにより、顧客がストアに入ると、滝のように流れ落ちる噴水に包まれるような、多感覚的な体験をもたらします。」

石材と磨き上げられたステンレススチール製の踏み板でできた浮遊感のある片持ち梁の階段が店舗へと続いています。地下にあるApple Storeの内部は、バックライト付きの天井パネルに支えられた天窓から上に向かって光が差し込む、ひとつの空間となっています。

20本以上の木が、路面の広場の周りやプランターに植えられています。
広場と店内の壁には、ロンバルディア州で採石され、ミラノの建築物の多くに使用されている灰色の石「ベオラ・グリジア」が使用されています。

噴水の下部分には新しい屋外スペースが設けられており、店舗アクティビティのための拡張スペースとして使用しています。
また、この広場は24時間開放され、地元アーティストを招いて街のクリエイティブな未来へのビジョンを語ってもらう1カ月間のプログラム「Milan Series」など、さまざまな文化イベントが開催されています。

https://www.dezeen.com/2018/07/26/foster-partners-apple-store-milan-italy-architecture/
Apple Piazza Libraryのその他の写真はこちら⏬



Apple Iconsiam:タイ:2018年オープン

タイ初のAppleストアは正面の大きなガラスの外観が特徴的です。その正面にはタイ固有の樹木が配置されており、隣接する広場に生い茂る植物との境目が曖昧になるようにあえてデザインされています。
張り出した大屋根には木材が敷き詰められ、わずか4本の柱で支えられているため、広々とした開放的な空間が広がっています。
このストアは複合ショッピング施設「Iconsiam (アイコンサイアム)」の中に入っています。

Foster + Partnersはこの店舗デザインについて以下のように述べています。
「このデザインは、タイの文化において特別な意味を持つ川との直接的な視覚的つながりを提供しています。ガラスの表面は、周囲の自然の美しさを際立たせると同時に、内部と外部の境界を曖昧にして、開放的で風通しの良い雰囲気を醸成します。」

店舗スペースの中心になっているのはワークショップエリアで、収納を兼ねたキューブ型のイスが配置されています。また、これらは使用しない時には上の写真にあるスクリーンの後ろに収納することが可能です。
また、この建物の最上部にはルーフガーデンがあり、Apple storeのもう1つの視点とアクティビティスペースを提供しています。
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Foster + Partnersがデザインした特にアイコニックなApple Store10選はいかがだったでしょうか?
Appleの洗練されたイメージやブランディングと、その地域の文化や自然と組み合わせた店舗デザインは他社には例を見ないものかと思います。
日本でも今回ご紹介した京都のApple Storeの他にも、表参道、丸の内などの店舗もありますよね!他の店舗のデザインも素敵ですが、上記2つの店舗は表参道がペンシルバニアの建築事務所ボーリン・シウィンスキー・ジャクソン、丸の内はFoster+ Pertnersがデザインしているようです。
Apple製品だけでなく、このような店舗デザインの背景を知ってからだと、よりApple storeでの体験はリッチなものになりますね、、、!!今回ご紹介した中だと、個人的なお気に入りはアメリカのMichigan Avenueの店舗です。コロナが明けたらぜひ行ってみたい!!!
ということで、今回の記事は終わりです。また面白い記事があったらシェアさせていただきます。では!
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