今日の記事は、市場、テクノロジー、エネルギー、世界経済などのトピックに焦点を当てた記事を配信しているVisual Capitalistの中から、Carmen Angさんによる「Ranking U.S. Generations on Their Power and Influence Over Society」の翻訳版となります。
Z世代やミレニアル世代など、テック関連の話題になると必ずと言っていいほど出てくる世代分けですが、やはり現状だと多くの観点から最も影響力が強い世代はベビーブーマー世代といえるでしょう。
これは今回の記事はアメリカをベースとしていますが、日本でも同じ構図だと言えるはずです。
そのような中で、ベビーブーマー世代は徐々に退職の年齢に近づいており、次の世代へとバトンが渡される時期も近いと言えるでしょう。
次に最も力を持つのはどの世代なのか。各世代のパワーバランスを見ながら探究していきます。
オリジナル記事はこちらから⏬
https://www.visualcapitalist.com/ranking-u-s-generations-on-their-power-and-influence-over-society/
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アメリカで最も影響力を持つ世代とは?
私たちは今、歴史上最もインパクトのある世代交代を迎えようとしています。
現状では、ベビーブーマー(1946年〜1964年生まれ)は、アメリカで最も裕福で影響力のある世代です。しかし、最も若い団塊の世代でさえ定年退職が間近に迫っており、毎年何百万人もの人々が職場を去っています。ベビーブーマー世代のバトンを受け取った後、どの世代がアメリカで最もパワフルな存在になるのでしょうか。
2021年に向けた初のGPI(Generative Power Index)では、各世代がアメリカ社会でどのくらいの力と影響力を持っているのか、そしてそれが近い将来にどのような意味を持つのかを数値化してみました。

世代とパワーの定義
第1回目のGPIの結果を見る前に、世代とパワーをどのように定義したかを説明しておきます。
ここでは、各世代をどのように分類したか、年齢層や誕生年などの内訳をご紹介します。
Generation (世代) | Age range (年齢層) | Bith yerar range(誕生年) |
The Silent Generation (沈黙の世代) | 76歳以上 | 1928-1945 |
Baby Boomers (ベビーブーマー) | 57-75歳 | 1946-1964 |
Gen X (X世代) | 41-56歳 | 1965-1980 |
Millennials (ミレニアル世代) | 25-40歳 | 1981-1996 |
Gen Z (Z世代) | 9-24歳 | 1997-2012 |
Gen Alpha (アルファ世代) | 8歳以下 | 2013-present |
上記の各世代の年齢区分は、公式に決定されているものではありません。しかし、本レポートは主に米国のデータを対象としているため、ピュー研究所(※)や米国連邦準備制度理事会などで使用されている、最も広く引用されている定義を採用しました。
※ワシントンD.C.を拠点としてアメリカや世界における人々の問題意識や意見、傾向に関する情報を調査するシンクタンク
パワーを測るために、私たちは3つの主要なカテゴリーに分類されるさまざまな要素を考慮しました。
- 経済的なパワー
- 政治的なパワー
- 文化的なパワー
以下では、それぞれのカテゴリーをより深く掘り下げ、どの世代がそれぞれのカテゴリーを支配しているかをご紹介します。
世代別の全体のパワー
世代別に見ると、ベビーブーマーが38.6%で全体のトップとなっています。
Generation(世代) | Overall Power Share(全体のパワーシェア) |
The Silent Generation (沈黙の世代) | 12.8% |
Baby Boomers (ベビーブーマー) | 38.6% |
Gen X (X世代) | 30.4% |
Millennials (ミレニアル世代) | 14.5% |
Gen Z (Z世代) | 3.7% |
Gen Alpha (アルファ世代) | 0.0% |
Total | 100.0% |
興味深いことに、最大の権力を持つのはベビーブーマー世代ですが、米国の総人口に占める割合は21.8%に過ぎません。
第2位のX世代は30.4%、最下位のZ世代は3.7%に過ぎません。アルファ世代はまだランキングに入っていませんが、この世代は最年長でも今年8歳で、まだ二桁にも達していないため、このような結果になっています。
世代間格差:経済力
ベビーブーマー世代が米国の全世帯資産の約53%を占めていることを考えると、「経済力」の測定において団塊の世代が優位に立っているのも納得できます。

Generative Power Indexの43.4%を占めるベビーブーマー世代は、X世代、ミレニアル世代、Z世代の合計よりも経済的な影響力を持っていることがわかります。ベビーブーマー世代は、米国のビジネスリーダーの過半数を占め、米国のビリオネアの42%を占めています。
ベビーブーマーの経済的繁栄には、タイミングが大きく影響しています。彼らは、第二次世界大戦後の時代に育ち、比較的安定した繁栄した経済の中で主な労働力として過ごしました。
一方、ミレニアル世代は、大不況の中で社会人となり、経済や賃金の伸びが弱く、富を蓄積する能力に影響を与えています。これに多額の学生債務が加わると、ミレニアル世代の富は、同年代の他の世代(団塊世代、X世代)と比べて50%近く少ないのは当然のことです。
世代間格差:政治
ベビーブーマー世代はGPIにおいて「経済力」が最も高いことに加えて、「政治力」でも第1位となっています。

ベビーブーマー世代は、政治的影響力の47.4%を占めています。この世代は、米国の全有権者の32%を占め、連邦や州の役職の大半を占めています。例えば、米国の上院議員の68%は団塊の世代です。
選挙運動やロビー活動などの政治的支出も、この世代が中心となっています。ロビー活動への支出については、支出額上位20位のうち60%がベビーブーマー世代が率いる組織によるものであることがわかりました。
一方、ミレニアル世代やZ世代は、政治の世界ではほとんど活躍していません。しかし、今後数年間で、ミレニアル世代とZ世代の投票力は飛躍的に高まり、2020年には32%だった投票率が、2036年には55%にまで上昇すると予測されています。
文化的なパワー
ベビーブーマー世代が他の世代に負けている項目がありますが、それが「文化力」です。

このカテゴリーでは、X世代が文化力の36.0%を獲得し、トップに立っています。特に報道関係では、アメリカの大手ニュース企業の半数以上がX世代をCEOに迎えており、影響力のあるニュースパーソナリティの大半もX世代です。
「カルチャー」カテゴリーでは高い評価を得ているものの、Gen Xは、私たちが調べた重要な変数のひとつであるデジタル領域では劣っています。デジタルプラットフォームでは、ユーザー数、コンテンツ制作者数ともにミレニアル世代が圧倒的に多く、Z世代の影響力も増しています。
世代間におけるパワーバランスの行方
世代間のパワーは停滞することなく、時間とともに変化していきます。
このような流れの中で、私たちの新しい「Generational Power Index」と毎年発行するレポートは、将来のパワーシフトを数値化するとともに、新たな展開を示す重要なストーリーを紹介することを目的としています。
Generational Power Indexの作成方法については、レポートPDFの28〜30ページをご覧ください。本レポートは初年度ですが、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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本日の記事は以上となります。
今回の調査では、文化の領域以外ではまだまだベビーブーマー世代が強いということが明らかになりました。しかし私の中で最も気になっているのは文化のカテゴリー内ではデジタル領域においては、X世代よりもミレニアル世代・Z世代の影響力が強まっているという点です。
人口比率をすぐにひっくり返すことは難しいと思いますが、デジタル文化やその領域を活用した経済的収入においては、ミレニアルズがX世代を追い越す可能性も十分位あると思いますし、もしかするとZ世代やα世代が飛び越えてくるかもしれません。
世界の長者番付を見ていても、テック領域かつ若い起業家が増えているのも、このような流れを先取っているのかな、、なんて思います。
こんなところで今日の記事は終わりにしたいと思います。
それではまた明日!
Source:https://www.visualcapitalist.com/ranking-u-s-generations-on-their-power-and-influence-over-society/
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