ソーシャルメディアを活用したカスタマーエンゲージメント構築の事例まとめ

Study

 今や企業にとってのSNS活用は必須のものとなっており、Twitterアカウントを持たない企業の方が少ないのではないでしょうか。しかし、それだけ多くの企業がソーシャルメディアを利用していないがらも、それらを効果的に利用している企業は想像以上に少ないのではないでしょうか?(私も好きな企業やブランドのアカウントをフォローしていながらも、その内容の薄さ、一貫性の無さ、投稿の内容が面白くないetc…でフォローをやめたことが多々あります。
 そのように多くの企業はソーシャルメディアを効果的に利用できていませんが、中には非常に効果的にSNSを活用することで、カスタマーエンゲージメントを高めている企業も多く存在します。それらのソーシャルメディア活用の成功例について、Jack Applebyさんがまとめたスレッドがありましたので、それらのスレッドをもとに事例をご紹介していきます。

Jack ApplebyさんのTwitterアカウントはこちら⏬
クリエイティブ戦略について、マーケティングの視点からさまざまな事例を解説されており、非常に勉強になるアカウントです。そして、それらの事例には私たちも知っている企業も多く、もちろん書かれているのは英語ですが、その内容はなんとなく理解することができるので、一度読んでみると面白いかと思います!

では、ここから記事のスタートです!
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①深夜の新製品のリークに対し、適切に対処したXbox

Xboxの大規模なリークは真夜中に見事に処理されることとなりました。
いくつかのミーム、迅速な思考、そして迅速な承認が可能な大企業という幾つかの要因によって、Xboxがどのようにして最悪の日からいくつかのバイラルな瞬間を生み出したかを見ていきます。

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https://twitter.com/JuiceboxCA/status/1303406007541002248

東部標準時間午後11時30分: シチュエーション

Xboxは2つの新型ゲーム機を発売することがわかっていましたが、シリーズXのみが確定しており、2つ目のゲーム機の詳細についてはわかっていませんでした。
そして、シリーズSの画像がリークされることとなりました。初代のコンソールの外観、次世代機の価格帯であることがリークされ、界隈では大きな話題となると共に、すぐに技術系ブログに掲載されました。

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リーク情報が出てからすぐ、それらはブログ記事となり、全世界へと拡散されていきました。

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東部標準時間午前2:07:XBOXがすぐにMEMEの作成で対応する

最初のXboxの反応は2時間半後の深夜2:07にありました。the Awkward Look Monkeyのミームです。(欧米圏で非常に有名な猿の人形のMeme)
コピーはありません。リークに対してヒステリックに頭をなでただけのものです。
その投稿には21,000件以上のRTと139,000以上のいいねがつきました。
確認する前に、彼らはある種熱狂的なファンたちを獲得しました。

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https://twitter.com/JuiceboxCA/status/1303406035412168706

東部標準時間午前3:13:XBOXが確認を行う

大規模なリークから4時間足らずでXboxは名前、デザイン、価格を確認し、プロモショットとリーク内容を反映したコピーを発表しました。それは午前3時のことです。このマイクロソフトの迅速な対応には敬意を表したいと思います。
セールスポイントであるSmallestを強調する特別なテキストが素敵なものになっています。

東部標準時間午前3:13:もう少しで追加情報を公開!

発表が計画されたものであれ、リークから急遽行われたものであれ、ソーシャルリプライのたびに、常に質問が増えていきます。
Xboxがリーク情報を伝え、近日中に情報を提供することを約束し(何もリークについて言及しないよりは格段に良い)、さらに🔓💚を付けることで、質問を止め、人々が祝福することができます。

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https://twitter.com/JuiceboxCA/status/1303406049764966403

東部標準時間午後12:34: 本当の情報公開

あなたは深夜にMemeを獲得し、
さらに遅い時間にはリークについての確証を得ました。
そうなるとより大掛かりでセクシーなCGビデオを作らなければなりません。

今日はもっと適切な時間に。。
Xboxは以下のようにツイートしました。製品発表はメーカーがスケジュールした日程で行うことが必要です。絵文字を使った特集もあります。

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②Fortniteというゲームとプレイヤーの特性を活用したstar warsの効果的なブランド施策

スター・ウォーズがFortniteで10分を超えるイベントを行いました。
-限定の映画予告編がゲーム内で初公開
-ゲーム内のカスタムシーンにミレニアムファルコンが登場
-JJエイブラハムズ監督へのライブインタビュー
-実際にライトセーバーを使ってプレイができる

これらのプロモーション施策についての効果を分析していきます。

EXCLUSIVE TRAILER(限定の予告編):ビデオゲームの中で予告編を初公開すると、こんな感じになります。

ここで忘れてはいけないのは、これは表示をただ忠実に行えばいいということではありません。Fortniteのファンにstar warsがファンを大切にしていることを伝えることが重要なのです。

JJエイブラハムズのインタビュー@geoffkeighleyは踊っているストームトルーパーと一緒に、最もFortniterらしさのある方法でJJとのインタビューを行いました。

Fortniteのファンにアピールするには、とても面白く、エンターテインメント性があり、賢い方法でした。ファンにアピールするには最高です。ゲーム内での特別な瞬間は双方にとってより良いものです。

ゲーム内のシーン:ミレニアム・ファルコンが登場して、TIEファイターとドッグファイトをするところからイベントが始まりました。

そのシーンはいかがでしょうか?多くのプレイヤーは素晴らしいと評価しました。また、このような形でスタートしたことで、プレイヤーはJJのインタビューや予告編を前にして、イベントに飛び込むことができました。

ゲーム内でのCTA:イベント中に2つの投票が行われました。1つ目はシーンのテーマを当てるもの、2つ目はファンに好きなライトセーバーの色を聞くものでした。

そのアンケートは直接的に何かの影響を与えたわけではありませんが、それにより多くのプレイヤーが実際に参加しているのだということを実感しました。

実際にプレイ可能なライトセーバー:Fortniteのプレイヤーはすでに+JJの登場をライブインタビューによって実際に目にすることができましたが、彼らにとって最も最高な瞬間は次のプロモーション企画だったのかもしれません。

TIEファイターがファルコンを追い払っていたり、そこらじゅうでライトセイバーを持って戦うプレイヤー達を見た時、筆者のJackさんはその混沌とした状況に大笑いしました。

Fortniteの価値

なぜ@starwars@FortniteGameにこれほどまでの投資を行なったのでしょうか?


2020年12月時点で3億5000万人以上のプレイヤーがいます。
これは非常に巨大で、投資されたオーディエンスであり、一緒に集まることが好きなので、ブランドを大いに盛り上げることができます。

人々はさらに与える

これは予告編であり、
インタビューでもあり、
ゲーム内のシーンでもあり、
ゲーム内で実際に使用可能な武器でもあります。

たった1つ限定品をプレゼントするだけではもう十分ではありません。できるだけ多くの価値と参加の機会をファンに与えることが重要です。

チャネル戦略

ここではチャネル・広報戦略の担当者はもはやただソーシャルだけを知っていればいいというわけではありません。

新しい配信のスタイルを習得し、それらを使いこなす力が必要です。そしていま、Fortniteはそのうちの1つとなっています。

あなたのブランドは、ユーザーにとって実際に付加価値のあるものでなければならない

ライトセーバーは全世界のファンから愛されています。そして、みんなライトセーバーを欲しがっています。
だからこそ、スターウォーズとフォートナイトはプレイヤーにライトセーバーを与えました。

今やプレイヤーは、Fortniteに参加するたびに、非常に楽しく、そして非常に効果的なブランド広告を振り回しています。

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③260万人のフォロワーを持つインフルエンサーですら36個の商品を売ることができない?

260万人のフォロワーを持つインフルエンサーが、ファッションブランドを立ち上げました。そして、36Unit以上の販売に失敗したと発表しました。
ここからはその件についての、ちょっとしたスレッドです。

これを機に、「フォロワーは購買層ではない」という意見が多く聞かれるようになりましたが、筆者のJackさんはこれに異議を唱えています。

確かにフォロワーの大半は売上に結びつきませんが、フォロワーは一般の人よりも適格なオーディエンスであることは間違いありません。特にインフルエンサーの場合は、フォロワー数の増加=ファネルの拡大=売上の増加とおいう計算が成り立ちます。

フォロワー全員をコンバージョンさせるのではなく(そうできることが理想ですが、、)、十分な数のオーディエンスを構築することで、購入してくれるわずかな割合のオーディエンスを作り出すことができるのです。

下のツイートにある彼女のフィードと製品ラインを比べてみてください。これらはファッションの系統としては同じではありません。

彼女がこれらの中のどれかを着ることを想像できないのであれば、なぜ彼女のフォロワーはそのブランドを買うのでしょうか?

部屋の中の象

多くの女性インフルエンサーは、男性フォロワーから非常に良い印象を得ているので、男性向け商品を用意するのは賢い方法だと言えるかもしれません(もし彼女に多くの男性フォロワーがいる場合)。しかし、その男性フォロワーはおそらく買わないでしょう。

Jackさんが彼女のInstagramのストーリーズや宣伝用の投稿を見逃したのかもしれませんが、彼女はビデオ付きで発表し、もう1本だけビデオをアップして、13日後に失敗したと言ったと認識しています。

そして重要なのは、彼女の投稿の中で商品を着ている写真が1枚もないことです。
商品を身につけた写真は1枚もなく、商品についての投稿も2つだけでした。
彼女は基本的に自分の製品を宣伝しようともしませんでした。

 インフルエンサーは、自分自身で成功したブランド+プロダクトラインを構築することができます。ローガン・ポール(アメリカの人気YouTuber)は、かつて年間の商品売上が1,000万ドルに達していました。彼は自分のオーディエンスを理解し、彼らに向けて製品を開発・販売する方法を理解していました。
 先の例に挙げたAriiが失敗したのはその点です。アイデアは正しかったのですが、実行に移すことができませんでした。

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その点ではいくつか不可解な点があります。
260万人のフォロワーがいるのだから、36台の販売は簡単なはずです。たとえ商品がどんなに悪くても、彼女には何でもしてくれる36人のクレイジーな熱狂的ファンくらいはいると考えるのが自然です。そのため、彼女はどこかで嘘をついていたのではないでしょうか。

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彼女の最近の投稿には本物のエンゲージメントがあり、非常に良いものです。彼女は間違いなく本物のフォロワーを持っています。

本当に260万人のフォロワーがいるのか?260万人にしてはエンゲージメントの数値が低いので、議論の余地があります。しかし、彼女はそれだけのフォロワーを持っていれば、どんな商品でも36個くらいであれば売るほどのフォロワーを持っていることは間違いありません。

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https://twitter.com/JuiceboxCA/status/1133369349186547712
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PLOT TWIST(どんでん返し):彼女は「私のブランドは失敗しました」という投稿を削除しました

何かが起きているのは確かです。ポジティブなスピン:彼女は失敗したことで非難を浴び、それをやめさせたかった。誰かがどこかで嘘をついているというのが、より真実味を帯びてきました。
それらは”マーケティング上の演出 “なのか、”将来のお金のための同情的な投稿”なのか、はたまた”売り上げに関する嘘”なのか?

UPDATE: 彼女は戻ってきて、7つの製品をそれぞれ36個、合計252個売らなければならなかったと言っています。
200万人以上のフォロワーがいるのだから、252個売るのは36個売るのと同じくらい簡単なはずです。彼女は文字通り、0.000096%のフォロワーに購入を説得するだけでよかったのです。これと同じ問題です。

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④Disney+におけるTwitterのスレッドを活用した、長期的にエンゲージメントを集め続けるためのマーケティング施策

ディズニー+は、今まで見たこともないような壮大なツイッタースレッドを作りました。
400以上のツイートで、ローンチ時に発売されるすべてのタイトルを発表しています。それらの施策について簡単に分析を行っていきます。

Disney+のブランド戦略:豊富な作品群を惜しげもなく見せていく。

この下のツイートの動画にあるのが、Disney+が流したInstagramのストーリーでの広告です。ここまで堂々とロゴを押し出したようなブランド力への自信が満ち溢れた広告はなかなかありません。あらゆるアンブレラブランドからそれぞれのDisneyブランドの持つタイトル(marvelであればアイアンマン、キャプテン・アメリカ、アベンジャーズ等)に移行することは、自然な流れでした。

Disney+ブランドの概略:Disney+がいかに多くのタイトルを持っているかを示すような形で、全タイトルを徐々に公開していく。
Disneyが自社のコンテンツをソーシャルネットワークを使用して全てのタイトルを何らかの形で見せるのが、簡単で効果的な方法です。ツイッターで広告していくことはその目的を満たすために非常に簡単で自然なやり方でした。

Disney+ Channelの戦略:自社における知的財産(コンテンツ)の規模を示すために、長くて膨大なTwitterスレッドを使う。このTwitterのスレッドを利用した方法は、すでに2回成功している戦術であり、多くの情報を含む大きな発表に適していました。


ここからはマスターレベルのお話です。

タイムスタンプが違うのがわかりますか?これらのツイートは、一度にアップされたものではなく、それぞれ異なるタイミングでアップされています。スレッドがフィードのトップに表示され、長時間にわたって常に更新されます。一瞬よりも数時間を大切にしている賢い方法です。

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タイトルごとに独自のツイートをすることで、ファンが特定の映画に反応することができるという、より優れたTwitter戦術です。このような引用RTを一日中見ることになり、それが他のユーザーに増幅され、またRTされる、ということが繰り返されます。

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ディズニープラスが流したスレッドの中でも特にエンゲージメントが高かったショー/映画の中からトップ75をランキング形式でご紹介します。

1位:90年台のX -MENアニメシリーズ
⇨こちらは15,000以上のエンゲージメントがあり圧勝でした。

今回のランキングでは、最新のディズニー作品というよりも、懐かしい作品が大部分を閉めていました。
こちらのランキングに関してのデータはこちらのアカウントから⏬
@nickcicero / @conviva

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今回の記事はここまでです。
やはり皆さんがご認識の通り、個人でSNSを利用していない人がいないように、企業やインフルエンサーにおけるSNS活用の重要性は日々高まっています。日本企業ではまだソーシャルネットワークを活用したマーケティングや、インフルエンサー独自のブランド活用による収益化などは多くの伸びしろを残した分野です。

SNSの活用は企業にとって、より効果的に自社のユーザー、ファンと繋がりを構築できる施策となり、こちらの記事でも紹介している通り、ブランド価値の向上にも繋がります。

このほかにもアメリカのスタートアップ企業の中には、顧客とのエンゲージメントをソーシャルメディアを活用して上手に築いている例が多くあります。そのような他の例も今後ご紹介していければと思います!

ではまた次の記事でお会いしましょう〜!

Source:https://twitter.com/JuiceboxCA

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