書くことは考えること〜自信を持って書けるようになる〜【前編】

Study

今回の記事は、Steph Smithさんによる「Writing is Thinking: Learning to Write with Confidence」という記事の翻訳になります。

この記事では、文章を書いてアウトプットする、という行為がなかなか苦手で自信が持てない方に対して、筆者のSmithさんが実際に行なっているプロセスを紹介しています。オリジナル記事が少し長いので、今回は執筆までのハードルを下げるための考え方、そしてそのプロセスのサマリーをお話ししています。

後編の記事では、実際のプロセスについて細かく解説していきます。

オリジナル記事はこちらからご覧ください⏬
https://blog.stephsmith.io/learning-to-write-with-confidence/

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もし5年前の私に、いつか20人の出版チームを率い、何十万人もの人に読まれる個人ブログを持つようになると言ったら、私は驚いて笑っていたでしょう。しかし、どういうわけか、私はそのような現実の中に身を置いています。さて、ここからが本題です。

そこで、私たちの中にいる自意識過剰な書き手を励ますために、この文章を書くことにしました。私がどのように自信をつけていったかという過程を共有するだけで、他の人が自信を持って書けるような練習方法を身につけるきっかけになれば幸いです。

“Self-doubt can be an ally. This is because it serves as an indicator of aspiration. It reflects love, love of something we dream of doing, and desire, desire to do it. If you find yourself asking yourself (and your friends), “Am I really a writer? Am I really an artist?” chances are you are.”
“自信喪失 “は味方になります。なぜなら、それは向上心の指標として機能するからです。それは、私たちが夢見る何かへの愛、そしてそれをやりたいという願望、欲望を反映しています。もし、あなたが自分自身(や友人)に「私は本当に作家なのだろうか?私は本当に芸術家なのだろうか?」と自問自答しているとしたら、その可能性はあるでしょう。

The War of Art

Practice Makes Possible 〜練習すればできるようになる〜

子供の頃、英語は最も苦手な科目でした。実際、私が育ったカナダのオンタリオ州では、中学卒業まで1つの科目しか履修してはならないと定められていました。もちろん、それは英語でした。ティーンエイジャーなら誰でも思うことですが、世界はとても不公平な場所だと思っていました。微分積分や化学を追加することは喜んでやりますが、英語をもう1年勉強すると思うと泣きたくなりました(たぶん、いつかはそうなったでしょう)。

英語は、精神的エネルギーを最も消耗する科目でした。

文章を書くことに苦労している人なら誰でも知っていることですが、文章がしっくりこないときは、無理に書き直すことはできません。そして、無理に書こうとしても、結局は言葉が無惨に並べられただけの白紙の状態になってしまいます。

しかし、多くの人が気づいていないのは、書くことへの抵抗感は、他のスキルへの抵抗感とは違うということです。それに対して何か解消法はあるのでしょうか?答えは練習です。アウトプットすること、反復練習です。

練習することで、一見不可能に見える作業でも慣れてきます。書くことを学ぶことができます。

筆者のSmithさんも当初は覚悟を決めてから書き出すことが必要だったようですが、徐々に恐れずとも文章を書くことへの抵抗感が少ない方法で書くことができるようになったようです。そして、書けば書くほど、フライホイール効果(※)が発揮されていることを実感しています。書くことは、継続的な努力によって身につけられる技術であり、摩擦の少ないプロセスを作ることで簡単に手に入れられるものであることを理解することで、この記事が、読み手の中にいる潜在的な作家気質の人を刺激することを願っています。
(※)フライホイール効果…ホイールのように一度回り始めると、ビジネスの成長が持続するような仕組み

Writing is Thinking 〜書くことは考えること〜

「ライター」になるための最初のステップは、「ライター」というものを定義する指標がないことを認めることです。そして、臆面もなく専門家であると主張する人は、おそらく実はその分野の専門家とは程遠いでしょう。何があなたをライターにしてくれるのでしょうか?書くことです。

“Each time you write a page, you are a writer. Each time you practice the violin, you are a musician. Each time you start a workout, you are an athlete. Each time you encourage your employees, you are a leader.”
“1ページを書くたびに、あなたは作家になり、バイオリンを練習するたびに、あなたは音楽家となります。ワークアウトを始めてみれば、あなたはアスリートになることができ、従業員を励ますたびに、あなたはリーダーになることもできます”

Atomic Habits

書くことは、他のすべてのことと同様に、筋肉のように鍛えて習慣的なプロセスを構築し、最終的には流れるようにすることができます。なぜなら、書くことの本質はシンプルで、自分の考えを共有するための方法だからです。

多くの人が気づいていないことですが、実は書くことが難しいのではありません。難しいのは、書くことではなく、書くことの背後にある考え方なのです。

“Writing is thinking. To write well is to think clearly. That’s why it’s so hard.”
“書く “とは “考える “こと。良い文章を書くためには、明確に考えること。だからこそ、難しいのです。”

David McCullough

書くことは本質的に、自分の考えを明確にして伝えるための強力なツールです。文章を書いている間は、批判的に考えることを強いられ、通常は自動操縦されている脳の部分を働かせることになります。 かつてアインシュタインが言ったように、「簡単に説明できないことは、十分に理解していない」のです。文章を書くということは、漠然としたアイデアを明確なコンセプトに変換するという外面的な作業だけでなく、内面的な作業でもあるのです。

しかし、意外と見落とされがちなのが、明確な視点、独自の視点、熟考した視点を持つことで、文章を書くための精神的負担が大きく軽減されるという事実です。では、どちらが鶏でどちらが卵なのでしょうか?

“It’s through writing that we exercise our ability to think; they’re not mutually exclusive tasks.”
”書くことで考える力を鍛える。両者は相反する作業ではありません。”

Grammarly

https://blog.stephsmith.io/learning-to-write-with-confidence/
この図についての詳細はこの下に。

書くことと考えることは、一見すると関係のない行為に見えますが、実は強い繋がりがあるのです。批判的な思考は良い文章につながり、それはより明確な思考につながる、というう循環につながります。書く力を高めることは、考える力を高めることであり、その逆もまた然りという結果になります。そこで次に、このプロセスをどのようにして活性化させるかが問題となってくるでしょう。

Reducing Activation Energy 〜やる気を起こしやすくする〜

前述したTAW(Thinking < > Writing)サイクルは強力ですが、高尚なものでもあります。明日起きて、「その日中に記事を完成させてください」とお願いしたとしたら、私はあなたが2つのタスクを引き受けてくれることで精神的な負担を減らすことが可能になるでしょう。
(1)アイデアを出すプロセス
(2)アイデアを正しく表現するためにコンセプトを抽象化する難しい作業。

しかし、このような短い時間の中では、ほぼ確実にどちらかが犠牲になります。多くの場合、「記事を作る」ことに注力した結果、アウトプット(2)にエネルギーが集中してしまい、「なぜ」の部分にあたる(1)がしっかりと練られていないために、記事を書くことが苦痛になってしまうのです。これでは、TAWサイクルの実行に障害が発生してしまいます。

そのような問題に対して、筆者のSmithさんの解決策はシンプルです。
「この2つを分けて考え、このサイクルを何度も回すことです。」

コンセプトを思いついて、一度で作品を完成させることは非常に稀です。これには特別な理由があります。そのような基準を自分に課していたら、原稿を書くことすらできないでしょう。私は、書くこと(そして考えること)の練習を受け入れるために、最初に現れるやる気のスイッチを入れるエネルギーを減らすことに重点を置いて、私の執筆プロセスを設計しました。

My Writing Process 〜私の執筆プロセス〜

本来、文章を書くということは、非常に個人的で主観的なプロセスです。この記事から何かを得るとすれば、それは私が特定する具体的なステップではなく、あなたが自分自身を作り上げるための習慣なのではないでしょうか。

まず、「どのような環境を整えれば、私はこの仕事に集中できるだろうか」と自問します。

私の場合、それは次の2つに集約されます。

  • デカップリング(切り離すこと)
  • 1つの変数に最適化する

Decoupling the Writing Process 〜執筆プロセスを細分化する〜

前述の通り、私は意図的にプロセスを複数のステップに分けています。正確には6段階です(詳細は後述します)。これは、能動的、受動的に自分のエネルギーレベルを最大限に活用するためです。徹底的に実行するための精神的なエネルギーが常にあるわけではないので、あまりプレッシャーを感じることなく、常に自然体でコンセプトを練ることができるようにしています。このプロセスでは、集中して文章を書くなど、アクティブな状態に入る準備ができたときには、すでに明確な考え方ができているように設計しています。

Writing Process Steps: 〜執筆のためのステップ〜

  • Ideation (アイデア出し) – Passive (受動的)
  • Tracking (トラッキング) – Active (能動的)
  • Outline (あらすじ) – Active (能動的)
  • Idea Arbitrage (他のアイデアからインスピレーションを受ける) – Passive (受動的)
  • Research (検索) – Active (能動的)
  • Writing (執筆) – Active (能動的)

この受動的な状態と能動的な状態の間を行き来することは、人によっては混沌としているように見えるかもしれませんが、私にとっては文章を書くことへの抵抗感を最も感じることなく、物事を成し遂げることができる理由なのです。

「Draftback」という素晴らしいツールがありますが、これは「時間をさかのぼって客観的に新たな視点から文章を書く」ことができるものです。

私はこのツールを使って、自分のプロセスを振り返り、記事を繰り返し書く方法を理解しています。もちろん、自分のプロセスを改善するためにも使用しています。

例えば、今読んでいるこの記事は、自分の言いたいことがまとまるまで、1ヶ月以上かけて考えては書き、考えては書きを繰り返して作成しました。修正回数は1万9千回を超えました。

この記事の修正履歴

その他のSmithさんが書いている記事でも、内容にこだわると6ヶ月やそれ以上の年月を費やして、何度も修正を重ね流ことがあります。

Smithさんの別記事であるEffective Leadership のリバイス履歴

このように何度も繰り返すことを他の人に勧めているわけではありませんし、むしろ私は自分の編集を縮小しようとしているのですが、文章を書いたり考えたりするプロセスには時間がかかるということを示しています。

Optimizing for One Variable 〜1つの変数に最適化する〜

私は、人生においてすべてを手に入れることはできないということを受け入れました。この気持ちは、執筆活動にも反映されています。

私の考えでは、文章を書くということは、ただToDoリストにチェックを入れるために行うものであってはなりません。文章を書くことの本質は、人に価値を提供するためのメカニズムです。私はそれを自分の中心的な目標としてきました。

そのためには、スピードなど他の変数とのトレードオフも考慮しなければなりません。前述したように、私の記事は数週間かかるものもあれば、数ヶ月かかるものもあります。

https://blog.stephsmith.io/learning-to-write-with-confidence/
Smithさんがブログを執筆するのにそれぞれどのくらいの時間をかけているのかを表したグラフです。

これは明らかに自分に有利なことばかりではありませんが、私に方向性を与えるものです。品質、スピード、SEOの可能性など、さまざまな要素を完全に最適化しようとすると、頭が真っ白になってしまいます。そこで、私は「品質」という1つの要素に焦点を当てています。

もしあなたが同じように自分のペースで自由に記事を書ける環境にいるなら、品質を自分の北極星にすることも考えてみてください。ここで重要なのは、同じ北極星を選ぶ必要はなく、自分のプロセスを形成するための北極星を確立することです。それでは、私の執筆プロセスをご紹介しましょう。

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本日の前半部分としてはここまでとなります。
後半では、Smithさんが実践する執筆プロセスをそれぞれ解説していきます。

私もこのようなブログを書いていて、「やはり伝えることの難しさ」というのは感じます。(と言っても海外記事の翻訳がメインなので、0→1を生み出すということは筆者のSmithさんよりは少ないですが…)

特に最後の自分の中での指針となるような北極星を定める、というところには共感できました。質にもこだわりたいし、スピードも、SEOも…とやっているとなかなか文章が完成しないですからね…。

そんなところで今日は以上となります。
それではまた明日の後編記事で!

Source:https://blog.stephsmith.io/learning-to-write-with-confidence/

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