悪い習慣を断ち切るためのシンプルな方法 【3分でわかるTEDトーク】

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動画の概要

ほんの一口の感触、一本だけの喫煙、一杯だけのお酒、少しだけのSNSやゲーム…よくないとわかっていながらも、なかなか断ち切れない悪い習慣(依存症)は誰しもあるのではないでしょうか?そんな悪い習慣を、習慣形成のメカニズムを新しい視点から捉え直し、対策するための方法を精神科医ジャドソン・ブルワー氏が語っています。

そのタイトルは、A simple way to break a bad habit(悪習慣を断ち切るシンプルな方法)

動画の概要

① 習慣のできるプロセス
 例えば、美味しいものを見た時、脳は「カロリーだ、カロリー取って、生き残れ!」と命令します。
そこで食べます。おいしいです。特に砂糖の入っているものはより美味しいでしょう。
そして、体は「今食べたものと、見つけた場所を覚ええる」ように脳にシグナルを出します。
文脈依存の記憶( →脳が学習した時の環境を記憶していること)を持つと、私たちはこのプロセスをリピートしたくなってしまいます。
食べものを見る⇒食べる⇒いい気持ちになる。この繰り返し。
きっかけ(トリガー)⇒行動⇒報酬 というプロセスです。

 しかし、この「いい気持ちになる」というプロセスに行きつくために、脳は空腹の時以外にも応用しようとするのです。
 例えば悲しい気分の時。脳はいい気持ちになるために、美味しいものを食べてみると気持ちが紛れるということを学びます。そして、空腹というトリガー以外に感情的なトリガーを脳が記憶してしまいます。
 →これは本来、脳が生存するための方法を学んでいる時の行動ですが、それが行き過ぎてしまうと悪い習慣へと繋がってしまいます

② そんな習慣から抜け出すためには?
 悪い習慣から抜け出すためには、自分を客観的に観察することが最も重要なポイントです。
ブリューワー氏は、「悪い習慣の典型である喫煙を止めることにマインドフルネスが役立つか」という研究を行なっています。
 ※マインドフルネスとは、「『今、この瞬間』を大切にする生き方」を指しており、AppleやGoogleが社員研修の一環としてマインドフルネス瞑想を取り入れたことでも有名です。マインドフルネスの効能としては、「集中力が増し、創造性や幸福感、健康、リラックス感が高まり、もっと自分をコントロールできるようになる」とされています。

 そのマインドフルネスを活用し、悪い習慣に値する行動を起こしたくなった時に、自分の中にどのような変化が起こっているのかを客観的に観察を行います。
 その際には、悪い行動を強制的に抑え込むことはせず、むしろ悪い行動を起こすことは推奨されます。その代わりに、その時の感覚や気持ちなど自分がどんな風だったかを観察してもらいます。

 そのようにしていると、もともと脳では悪いとわかっていた知識(knowledge)が知恵(wisdom)に変わり、その行動に幻滅するようになるのです。ブリューワー氏はこれを「迷いを覚まして幻滅させること」と述べており、KnowledgeがWisdomに変わることで、自分の行動の迷いから覚めることができるのです。

 そして、マインドフルネスによって自分自身に好奇心を持つことは、自分のことをもっとよく知れたり、気分の良いことです。それは結果的に、自然と習慣ができるプロセスの「報酬」の部分に結びついてきます。

 大きな渇望を抑えるよりも、自分の変化に集中して小さなセンセーションに注意を向ける。習慣的な流れに乗るのではなく、今という瞬間に入り込むこと。それが悪い習慣を断ち切るためのたった一つの簡単な、しかし非常に深い方法でした。

終わりに

 今回ご紹介したジャドソン・ブルワー氏は「The Craving MIND」という本も出版しています。興味のある方はぜひ読んでみてください。

 誰しも断ち切りたい習慣の1つや2つはあるもの。(私もついついSNSを見てしまうことをやめなくてはなりません…) 自分自身のことはよく知っているようで、知りきれていないんだな、ということを痛感します。
今回は悪い習慣を断ち切るための方法として、マインドフルネスの活用(→自分自身をよく理解すること)が述べられていましたが、そのようなマインドフルネスを利用することで、アングリーマネジメントや緊張への対応など、この他にも役立ちそうなケースがたくさんあるのではないかと感じました。

 このような形で、【3分でわかるTEDトーク】として、動画を見なくても概要を理解できるようなコンテンツをシリーズ化していければな、と思っています。

 では、皆さんのより良い明日を願って! Good Luck!!!

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